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自費出版 : ウィキペディア日本語版
自費出版[じひしゅっぱん]

自費出版(じひしゅっぱん)とは、書籍をはじめとする何らかのメディアで、著者が自分で費用を出して出版することである。商業出版のように流通ルートや販売部数を確保するのが困難であるが、反面として自由にコンテンツを出版することができるのが特長である。近年ではインターネットを通じて売買されることも多くなっている。具体例としては、趣味で作った絵本や詩吟会の作品集・自分史などの出版に利用されることがある。
== 概要 ==
書籍を中心とする多くの自費出版物は、出版取次と呼ばれる流通仲介業者を通して書店で販売される通常の商業出版物とは異なり、市場での販売による収益が期待できない。このため、既成の出版社では出版を引き受けてくれないことなどから、印刷会社などが直接その製造を個人から請け負う形が一般的だった。主として1990年以降、自費出版を行う個人の増加や出版不況などを背景として、自費出版を専門に行う出版社や商業出版と同時に自費出版も請け負う出版社が増加した。2000年以降には、書店と直接契約するなどで「書店販売を行う」ことをセールスポイントとして大手新聞などで著者を募集する「共同出版型」の手法や、同じく大手新聞などで出版賞募集をPRし入賞作品を自費出版に誘導する「出版賞型」の手法が登場してきた。また、著者に対して作家となるためには新人賞よりもとにかく書籍を発売した実績を作ることが早道であるなどという形で宣伝・勧誘を繰り広げるものも少なくない。
商業出版は出版に際しての赤字になる可能性も含めたすべてのリスクを出版社側が負い営業的努力により売り上げから収益を上げるのに対して、自費出版は注文を受けた著者から料金を受け取り本を刊行することで収益を上げるという、根本から異なるビジネスモデルによって成立している。よって、自費出版の書籍が大きな部数を売り上げることは極めてまれである。部数が多くなれば出版費用も多額に上るため、出版の目的(趣味・実益)とコストとの兼ね合いを熟慮する必要があるし、さらに商業ルートに載せる場合は、出版社が信頼できるか・売れる見込みがあるか・営業力があるか、などを精査して検討する必要がある。過去には自費出版系出版社が著者に高額の費用を支払わせておいて、契約通りの営業活動を行わず、結果、本が書店にほとんど出回らずにトラブルとなったケースも存在する。
なお、出版物自体に自費出版の本と商業出版の本が区別できる違いがあるわけではない。出版にかかる費用と責任を著者が負うか、出版社が負うかという違いで「自費出版」「商業出版」あるいはその中間の「共同出版」などと呼ばれる。(近年は、商業ルートに乗せる場合、原則としてISBNが必要なため、多くの場合はこれで見分けることができる。ただし、共同出版の場合や、自費出版でも費用を負担すれば可能なため、確実な見分け方ではない)
近年、インターネット上での「電子出版」という新しい書籍の形態が誕生した事で、既存の紙媒体での出版とは一線を画した自費出版が可能となった。
従来の自費出版は「出版費用が高い」「出版社との交渉が必要」等ハードルが高かったが、電子書籍は「初期手数料が安いもしくは無料」「出版社を通さずに済む」など、インターネットが使える程度の知識があれば誰でも出版可能になった。電子出版は比較的自分一人でも可能だが、出版代行業者も既に数多く存在する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「自費出版」の詳細全文を読む



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