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嗅覚(きゅうかく)とは、においの感覚のこと〔広辞苑 第5版 p.676〕。 == 概説 == いわゆる「におい」や「香り」の感覚である。 揮発性物質が嗅覚器の感覚細胞を化学的に刺激することで生じる感覚である〔。別の言い方をすると、化学物質を受容器で受け取ることで生じる感覚のこと。陸上動物においては空気中の、水中動物においては水中の化学物質を感知している。 ヒトにおいては鼻腔の奥にある嗅細胞により電気信号に変換し、脳でそれを認識する。いわゆる五感の1つ。なお嗅覚は、日本語では時に「臭覚(しゅうかく)」と言われることもある。一応「臭覚」も言葉としては存在し、同じ意味ではあるが、嗅覚が正しいとされている。 嗅覚は、特定の化学物質の分子を受容体で受け取ることで生ずる感覚の1つであり、五感の1つに数えられている 〔 「五感」は、古くはアリストテレスによって記述されたものであり、 また現在でも一般的に使用されている言葉ではある。 しかし、現在では、分類の仕方にもよるが、9〜23の感覚があるともされている。 〕 。 ところで、化学物質の受容による感覚としては、もう1つ味覚がある。両者の違いは、味覚が特定の対象に接触し、その接触面で受容が行われるのに対し、嗅覚はその動物の周辺に散らばっているものを受け取る点である。したがって、遠くにある対象からも匂いを受け取れるし、対象を遠くから知るためにも使われる。また、特定の対象のそれを知るために、わざと対象に近づき、さらにそれに受容器を近づけるということが行われることもある。哺乳類においてその受容器は鼻であるから、この対象の匂いを詳しく調べるための行動は、対象に近づいてゆき、さらにその対象に鼻を近づけて短く立て続けに鼻孔から空気を吸い込むという行為になる。この行為を特に嗅ぐ(かぐ)と言うこともある。 このように嗅覚は遠隔的に受け取る感覚なので、例えば、食品が腐敗していないか、つまり、目の前にあるものが食用になるかどうかを、口に入れる前に確認するといった安全確認にも利用される。また、土に埋もれて見えないものを探したり、遠くの様子を知ろうとしたり、気象のようにとらえどころのないものを知ろうとするのにも使われる。転じて、物事の雰囲気やそこに何らかの予感がすることを「匂いがする」とか「臭う」など、嗅覚に関わる言葉で表すこともよくある。 他に、嗅覚は周辺に散らばっているものを受け取る感覚であることを利用したある種の警報も存在する。例えば、ヒトには無色無味無臭で感知できないLPガスや都市ガスに、燃料としては不要な硫黄化合物(テトラヒドロチオフェンやジメチルスルフィド)を加えることで、ガス漏れに気が付いてもらえるようにするといったものである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「嗅覚」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Olfaction 」があります。 スポンサード リンク
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