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この項目においては、北陸新幹線のうち、整備計画の定まっていない敦賀駅(福井県敦賀市)から大阪市方面に至るルート選定に関する議論について記す。 == 概要 == 敦賀から大阪へのルートについては、1973年(昭和48年)11月13日に決定された整備計画で小浜市付近が主要経由地に加えられたものの、整備5線の中でこの区間のみ未だ正式決定されていない。関西圏と北陸各県との流動は大きく、ルート選定にあたっても非常に大きな影響をもたらすためである。 政府・与党では整備計画通りのルート(小浜ルートと呼称)に加え、米原駅で東海道新幹線に接続する米原ルート、湖西線沿いを通り京都駅付近で東海道新幹線に接続する湖西ルートを含めた3ルートが検討されてきたが、2015年12月には、これに加えて小浜市及び京都駅を経由する「小浜・京都ルート」、及び与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会の委員長である西田昌司(参議院京都府選挙区選出)が提唱している、舞鶴市、京都駅を通り、関西国際空港に向かうルートが加わった。 そもそも整備計画決定前には、琵琶湖東岸を通り米原駅で東海道新幹線に接続するルートが有力視されており、『鉄道ジャーナル』1988年12月号「『整備新幹線』の経緯を顧みる」(種村直樹)中に掲載された、全幹法制定前の国(新全国総合開発計画構想)・国鉄・自民党国鉄基本問題調査会・鉄道公団による新幹線建設計画の構想図はすべて琵琶湖東岸を通るルートで描かれていた。しかし、1972年に当時の福井県知事である中川平太夫が田中角栄首相へと陳情を重ねた結果、整備計画では小浜経由が明記されることになった。 整備計画で小浜経由が明記されたのち、琵琶湖東岸を通るルートは北陸・中京新幹線として整備計画決定2日後の1973年11月15日に基本計画が公示された。 2000年の第3回全国旅客総流動調査を基にした北陸線(米原口)・湖西線特急利用者の利用動向では京都駅で乗降(在来線乗り換えを含む)する利用者が全体の約2割に上るが、小浜ルートでは京都府内の駅は京都駅から約20km離れた亀岡市内に建設される予定であり、後述する関西広域連合による検討では、1日あたりの利用客数が京都駅を通る湖西ルートと比べて約5000人、米原ルートと比べると約7000人(乗り換えなしの場合)少ないという試算結果が出されている。 そのため、小浜ルートでは主たる受益者と想定される福井県民ですら意見が分かれており、2009年8月に福井新聞社が福井県民に実施した世論調査によると、嶺南では小浜ルート、嶺北では米原ルート支持が多かったものの、3ルートとも2割強で大差ないという結果であった。 2016年3月10日、検討委員会は委員からの支持がなかった小浜ルートと湖西ルートを検討対象から外し、米原ルート、小浜・京都ルート、舞鶴ルート(西田委員長案)の3案に絞り、国土交通省が調査を行った上で、2016年秋以降に最終決定する方針であるとの報道があった。そのうち、大阪側のターミナルを新大阪駅にするか、西田が主張する天王寺駅にするかの検討を国土交通省に調査を発注する5月末までにまとめる方針で、まとまらなかった場合は両方を調査対象とする予定で、大阪市から関西国際空港までは北陸新幹線とは切り離し、調査着手から概ね半年程度かけてルート調査を行うとしている。 なお、2016年3月24日の検討委員会で、当初5月末までとしていた国土交通省へのルート調査発注の時期を、4月中に前倒しする見通しを示した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北陸新幹線敦賀以西のルート選定」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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