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『舟唄』(ふなうた)は、1979年(昭和54年)5月25日に同日発売された、八代亜紀のシングルおよびアルバム(2枚組)の名称、および、両者に収録された表題曲である。以下、特に注記しない場合は表題曲を指す。 == 概要 == 八代の代表曲のひとつ。1979年の発表当時のものは八代のハリのある高い声に合わせて曲の音程も高く(イ短調)、曲調も速めの3分57秒ほどで作られていたが、2000年以降発売されるCD等では八代の年齢による変化にあわせて当時のものより音程がひとつ低く(変イ短調)、曲調も4分20秒ほどのスローテンポで再録されたものが中心となっている〔とは云うものの、1979年当時からスタジオやホールで歌唱される時の音程は変イ短調であった。当時放送の「夜のヒットスタジオ」や第30回NHK紅白歌合戦で確認できる。〕。 八代の歌としては初の男歌であり、テイチクとしてはこの年の日本レコード大賞を狙う目的で発表された〔読売新聞社文化部『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』現代教養文庫、1997年、110-111頁。ISBN 4390116029。〕。阿久悠作詞の本曲を初めて八代が聴いた時、最初のフレーズを聴いただけで「必ずヒットする」と直感したという〔『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』111頁。〕。本曲は元々、『スポーツニッポン』に連載していた「阿久悠の実践的作詞講座」の美空ひばり編の教材として作られたものであった〔阿久悠 『愛すべき名歌たち -私的歌謡曲史-』(岩波書店 1999年7月19日) ISBN 978-4004306252 〕。後に作曲家として起死回生を狙っていた浜圭介が曲を付け、八代が歌うことになった〔。 歌詞は「勇波節」ないしは(アンコの)「ダンチョネ節」からの本歌取をしている。八代が歌うことになった際、このダンチョネ節の部分の歌詞は書き改められた〔。ダンチョネ節は神奈川県の俗謡として花柳界で歌い慣わされていたもの。ダンチョネ節には様々な歌詞バージョンがあり、直接は特攻隊節やザ・ピーナッツ、小林旭のダンチョネ節と言葉廻しや世界観は近いが、作品や世界観は独自のものである。 1979年の第21回日本レコード大賞・第10回日本歌謡大賞にノミネートされたが日本レコード大賞は金賞、日本歌謡大賞は放送音楽賞止まり〔『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』111-112頁。〕となり、翌年「雨の慕情」で双方とも大賞受賞となる。発売当初の売上は当時の八代のシングルとしては低調だった〔が、発売年の紅白で八代が大トリで歌唱して後、年明けからは売れ行きが加速した〔『この歌この歌手―運命のドラマ120〈下〉』112頁。〕。NHK『NHK紅白歌合戦』では3回歌唱されている。発売年の1979年第30回紅白の回では、八代が同曲で紅組トリおよび大トリを務めて番組を締め括った。 1981年に製作された映画『駅 STATION』(降旗康男監督/東映)の劇中では、居酒屋で高倉健と倍賞千恵子が見ている紅白で八代が歌う場面が挿入されている〔。 1991年、三共株式会社(現・第一三共)・新三共胃腸薬のCMのBGMとして使用され、このCMでは、後に「反省猿」として話題になった「次郎(2代目)」が登場し、内容は酒を飲みすぎたことを反省する人間に扮した次郎が、雪景色の中『舟唄』に乗って、新三共胃腸薬のパッケージによりかかり「反省ポーズ」をするというもので、この年の全日本CMフェスティバル・優秀賞を受賞した。 ニッポン放送のアナウンサー上柳昌彦は2004年以降毎年、自身のレギュラー番組の年内最終の放送日〔2014年は12月31日放送の特別番組『ごめんね、そしてありがとう 音楽にのせて送る2014年のメッセージ』内。〕に「舟唄を聴く会」と題し「舟唄」をフルコーラス放送している。 2005年の紅白の出場者選考の参考アンケートとしてNHKが実施した『スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜』に紅組49位にランクイン(「雨の慕情」は67位にランクイン)。しかし、八代はこの年の紅白に出場しなかった。2006年はサントリーフーズ『BOSSコーヒー』のCMソングに「泣ける歌」として流され、多くの若者にも支持される結果となった。 「お酒はぬるめの燗がいい」「肴はあぶったイカでいい」という歌詞が冒頭に登場するが、八代本人は「炙ったイカは好きなものの、酒は呑めない」とのこと〔2013年3月9日放送分のTBS『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』スペシャル内での本人談〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「舟唄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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