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航空魚雷(こうくうぎょらい、英: aerial torpedo)は、航空機(固定翼機やヘリコプター)から投下できるように設計された魚雷(海戦用の兵器)。第一次世界大戦で初めて使用され、第二次世界大戦で広範囲に使用された。現代では、対潜水艦用の航空魚雷以外は、かなりの部分が空対艦ミサイルに取って代わられた。航空魚雷は、一般的に潜水艦や水上艦艇(魚雷艇、水雷艇、駆逐艦など)用の長魚雷よりも小型軽量である。 歴史的に、航空魚雷は巡航ミサイルの前身といえる〔Hughes, Thomas Parke. ''American genesis: a century of invention and technological enthusiasm, 1870–1970'', p. 127. University of Chicago Press, 2004. ISBN 0226359271〕。 == 特徴 == 航空魚雷は、通常の魚雷と次の点が異なる。 * 空中を長距離(通常は200m以上)飛行する。 * 飛行中に気流の外乱を受け、制御しなければローリング(横回転)する。 * 水面への突入速度が速い(ほぼ航空機の飛行速度に等しい)〔高速時にはマッハ 0.5 で水面に激突し、水面で 100G を超える衝撃を受ける。〕。したがって、 * 突入時の衝撃によって、弾頭の殻を破壊しかねない。 * スクリューのブレード(羽根)を曲げてしまう。 * 水面で飛び跳ねてしまう。 * 落下速度をもち、入水時には斜め下向きに加速するので、水中深く沈降し、水底が浅い場合には突き刺さる。 これらに対して、本格的な航空魚雷には次の対策を施した。 * 尾部安定翼を付加した。これは木製で、水面突入時に衝撃で脱落する。これによって、空中の姿勢が安定した。 * 頭部にガードを付加した。これも木製で、水面突入時に衝撃で脱落する。これによって、頭部を防御するとともに、飛行中の減速に役立った。 * ローリングを防ぐために、ジャイロスコープを利用したロール安定制御器を備え、本体両側の安定舵(航空機の補助翼に相当)を制御して、空中および水中で正中方向(真上)を保った。これは、加速度制御をする画期的なシステムであった。これによって、次の二つが可能になった。 * 頭部内側の下面だけに補強材を入れた。 * 水面突入時に、昇降舵を上げ舵にしておくことによって、深く沈降しないようにした。 * スクリューを強化した。 これらを世界に先駆けて実現したのは、日本の九一式魚雷だった(頭部ガードは、実戦用のものには付いていない)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「航空魚雷」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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