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苦力(クーリー)とは、19世紀から20世紀初頭にかけての、中国人・インド人を中心とするアジア系外国人・移民の、手に職を持たない単純労働者である。 主に大英帝国の植民地、旧植民地であるアメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ペルー、南アフリカ共和国、スリランカ、マレーシア、ハワイ、フィジー、モーリシャス、レユニオン島、西インド諸島、香港、シンガポール等で低賃金で過酷な労働を強いられた。 ==歴史== 奴隷制度が廃止された後、ヨーロッパ諸国の多くの植民地やアメリカで労働力が不足した。イギリスの植民地であったインド亜大陸の貧民層や、アヘン戦争後には、広東・福建両省を中心に、汕頭市、アモイ、マカオなどから労働力としてのクーリーが世界各地に送られた。当初はインド人労働者を指した呼び名であったが、後に中国人労働者に「苦力」という漢字をあてた。 アメリカには大陸横断鉄道建設の労働者などとして使われ、中国からカリフォルニアに10万人以上が送られた。オーストラリアやマレーシア、マダガスカルなどにも、各々10万人程度が移住したとされる。 正式な海外渡航は北京条約締結以後になるが、それまでにも事実上、中国からの苦力輸出は行われていた。その背景には中国での人口増加、太平天国以後の動乱があると考えられている。 苦力は劣悪な環境で扱われたため、航海中や作業中に死亡することが多く、現地でも最下層の生活を送った。 また日中戦争時には満州や日本の占領地でも苦力が使役されたが、共産中国が成立すると事実上鎖国政策が採られ、苦力貿易は終結した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「苦力」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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