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茨城県西地域(いばらきけんせいちいき)とは、茨城県のうち、西部に位置する地域を指す。茨城県内においては、一般的には県西と呼ばれる。 == 概要 == 茨城県西地域(以下「県西地域」)は茨城県を5つの区分に分けたものの1つであり、。筑西市・桜川市の全域、下妻市のうち旧真壁郡下妻町・上妻村・筑波郡高道祖村、結城郡八千代町のうち旧真壁郡川西村が旧常陸国である以外は、すべてが旧下総国(後に千葉県)で、千葉県から移管された経緯がある。 主に筑波山西方の平坦な地形を占め、非常に可住地面積が広い〔「市町村早わかり 土地・人口」 茨城県〕。南部を利根川が流れ、中央は鬼怒川が貫く。歴史は古く、平安時代に承平天慶の乱では平将門が当地で兵を挙げ、鎌倉時代には結城朝光が結城に身を置き、戦国時代には古河公方が関東の戦乱の一つの中心となるなど、関東の歴史、日本史に名を刻む者も少なくない。 茨城県内では県南地域の次に東京都心に近いが、古河市西部(旧古河市域)・常総市南部以外は交通網が未発達であることから、古河市西部と常総市南部(内守谷町きぬの里)を除いてベッドタウンにはなっておらず、近郊農業が盛んな地域となっている。県の農業出荷額の1/4強を県西が占め〔「市町村早わかり 経済・財政」 茨城県〕、特に、筑西市や坂東市などで盛んである〔。また、工業においても、各市町の工業団地を中心とした各種工業が発達しており、常総市、筑西市、古河市の3市がそれぞれ工業出荷額5000億円を超える製品群を出荷している〔〔工業団地の集積状況については、須山ほか、茨城県西部における大規模工場の立地基盤 なども参照〕。商業は全般に低調であり、年間商品販売額で比較すると県西首位の古河市2700億円は、ほぼ同じ人口を持つ県南地域の土浦市、近隣の栃木県小山市の約5000億円の売り上げにはるか及ばない。筑西市2300億円弱が続き、以下は1000億円台の売上である〔「平成19年商業統計確報 産業編(市区町村表)」 経済産業省〕。後述するように、この地域は買い物先の外向き志向が強い。金融機関としては、常陽銀行の存在感が非常に大きい一方、栃木県境付近では足利銀行も存在感を示す。都市銀行は古河にみずほ銀行があるのみである。三井住友銀行はつくばや守谷および小山(結城、筑西、古河など)、三菱東京UFJ銀行へは土浦・春日部(古河・五霞・境など)、りそな銀行(埼玉りそな銀行)へは土浦、久喜(結城・筑西・古河など)へ向かう必要がある。 東北本線(宇都宮線)の通る古河市の市街地、常総ニュータウンの一地域である常総市きぬの里地区や、各工業団地とその周辺にある一部を除けば多くの地域は、平坦な地形を活かした田園や畑を中心とするひなびた自然の豊かな地域である。 道路は、北から、国道50号・国道125号・国道354号が東西を結び、南北を国道294号が通る。国道4号は古河市をかすめ、バイパスの新4号国道は古河市中央部を通り結城市および境町のへりをかすめている。各市町村を結ぶ鉄道路線、公共交通機関は極めて貧弱であり、北を水戸線が、中央部を関東鉄道常総線が結ぶのみである。これらは県西地域では1時間に1〜3本と極めて本数が少ない。バスも、東武バス〔往時の路線網はこちら を参照〕が拓いた路線はほぼすべてが廃止され、僅かに残った東西路線、JRバス関東南筑波線も2006年3月31日をもって、その中央部の大半が廃止された〔さようなら南筑波線 〕。 医療は、非常に厳しい状態が続く。人口10万人辺りの医師数は筑西・下妻医療圏で95.8人、古河・坂東医療圏で119.2人と、全国ワースト2位の県内平均155.1人を更に大きく下回る。公立病院の苦戦も報じられるところ〔茨城新聞 2009年1月6日 朝刊 〕であり、厳しい状況はしばらく続く可能性がある。救命救急は、救命救急センターを持つ茨城西南医療センター病院(境町)が中心。つくばに近い地域では筑波メディカルセンター病院、栃木県境付近からは、自治医科大学附属病院も比較的近い。 これらの移動に不便な事情もあってか、各地域ごとに独立した生活圏を持つ傾向が強く、一市(あるいは一町)で一つの生活圏、と見なされる場合もある〔 「持続可能な地域社会を目指す地域区分調査 「中間総括」」 JOYO ARC〕。栃木県・埼玉県・千葉県・あるいは群馬県と近接するがゆえに、その県境付近では他県の影響を大きく受けている。以前は土浦ナンバーだったが、全域でご当地ナンバーにより新たに作られたつくばナンバーへと変わった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「茨城県西地域」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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