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菊タブー : ウィキペディア日本語版
菊タブー[きくたぶー]
菊タブー(きくタブー)は、日本天皇皇室に対する批判やパロディーに対する禁忌タブー)、及び直接的暴力も含む圧力の総称(通称)。皇室の紋章が菊花紋章)であることから、婉曲的にこう呼ばれる。
== 概要 ==
戦前においては、天皇や天皇制に対して批判的な言論は、旧刑法施行以後不敬罪規定で取り締まられ、社会的にも強い排除圧力があった。また、後に治安維持法が制定され、国体(天皇制)を否定する活動について罰せられることとなった。
戦後は、言論の自由が広く認められ、旧刑法が廃止されたため、不敬罪が削除されたことで、天皇や天皇制に対して批判的な言論であっても、法的に禁圧されることはほぼなくなり、社会的にも批判に寛容になった。しかし、右翼団体やその構成員が、暴力的な手段を用いてこれを封殺しようとする事件をたびたび起こした。暴力被害に遭うことやトラブルになることを恐れてマスメディアなどは、天皇や天皇制に関する批判的言論を控える(自主規制する)ようになった。なお出版業界などにおいては天皇に係る自主規制の存在やその基準を示すものなどは特に公にはされていないが、放送業界においては、例えば日本民間放送連盟放送基準第2章(7)「国および国の機関の権威を傷つけるような取り扱いはしない。」の解説において「国の象徴としての天皇もここに含まれる。」としている〔「民放連 放送基準解説書2014」(一般社団法人日本民間放送連盟発行、2014年9月)〕。この自主規制を指して、天皇や天皇制に対して批判的な言論は、マスメディアにおけるタブーの一つとされ、婉曲的に菊タブーと言われるようになった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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