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『華厳経』(けごんぎょう、, アヴァタンサカ・スートラ)、正式名称『大方広仏華厳経』(だいほうこうぶつけごんきょう、, マハー・ヴァイプリヤ・ブッダ・アヴァタンサカ・スートラ)は、初期大乗仏教経典の1つ。 経名は「大方広仏の、華で飾られた(アヴァタンサカ)教え」の意。「大方広仏」、つまり時間も空間も超越した絶対的な存在としての仏という存在について説いた経典である。 元来は『雑華経』(ぞうけきょう、, ガンダヴィユーハ・スートラ〔『ガンダヴィユーハ・スートラ』(Gaṇḍavyūha Sūtra)は、「入法界品」のサンスクリット原題でもある。〕)、すなわち「様々な華で飾られた・荘厳された(ガンダヴィユーハ)教え」とも呼ばれていた〔『華厳の思想』 鎌田茂雄 講談社学術文庫 p44〕。 == 沿革 == 華厳経は、インドで伝えられてきた様々な経典が、3世紀頃に中央アジア(西域)でまとめられたものである。 華厳経全体のサンスクリット語原典は未発見であるが、「十地品」「入法界品」などは独立したサンスクリット経典があり現代語訳されている。 漢訳完本として、 *東晋の東晉天竺三藏佛馱跋陀羅 訳(418 - 420年)(『大方廣佛華嚴經』60巻(六十華厳)、旧訳または晋経、大正蔵278) *唐の于闐國三藏實叉難陀 訳(695 - 699年)(『大方廣佛華嚴經』80巻(八十華厳)、新訳または唐経、大正蔵279) がある。 部分訳としては、 *支婁迦讖訳 『仏説兜沙経』(大正蔵280) - 「如来名号品」「光明覚品」 *支謙訳 『仏説菩薩本業経』(大正蔵281) - 「十住品」 *聶道真訳 『諸菩薩求仏本業経』(大正蔵282) - 「十住品」 *竺法護訳 『菩薩十住行道品』(大正蔵283) - 「十住品」 *祇多蜜訳 『仏説菩薩十住経』(大正蔵284) - 「十住品」 *竺法護訳 『漸備一切智徳経』(大正蔵285) - 「十地品」 *鳩摩羅什訳 『十住経』(大正蔵286) - 「十地品」 *尸羅達摩訳 『仏説十地経』(大正蔵287) - 「十地品」 *竺法護訳 『等目菩薩所問三昧経』(大正蔵288) - 「十定品」 *玄奘訳 『顕無辺仏土功徳経』(大正蔵289) - 「寿明品」(六十華厳)・「如来寿量品」(八十華厳) *法顕訳 『仏説較量一切仏刹功徳経』(大正蔵290) - 「寿明品」(六十華厳)・「如来寿量品」(八十華厳) *竺法護訳 『仏説如来興顕経』(大正蔵291) - 「性起品」 *竺法護訳 『度世品経』(大正蔵292) - 「離世間品」 *般若三蔵訳 『大方広仏華厳経入不思議解脱境界普賢行願品』(「四十華厳」、大正蔵293) - 「入法界品」 *聖堅訳 『仏説羅摩伽経』(大正蔵294) - 「入法界品」 *地婆訶羅訳 『大方広仏華厳経入法界品』(大正蔵295) - 「入法界品」 *仏駄跋陀羅訳 『文殊師利発願経』(大正蔵296) - 「入法界品(末尾)」 *不空訳 『普賢菩薩行願讃』(大正蔵297) - 「入法界品(末尾)」 等がある。 また、チベット語訳完本も存在し、チベット大蔵経の「カンギュル」(律・経蔵)の主要な一角を占めている。 中国では華厳経に依拠して地論宗・華厳宗が生まれ、特に華厳宗は雄大な重重無尽の縁起を中心とする独特の思想体系を築き、日本仏教史にも大きな展開を起こした。 上代日本へは、大陸より審祥が華厳宗を伝来し、東大寺で「探玄記」による「六十華厳」の講義を3年間に及び行なった。東大寺は今日まで華厳宗総本山である。 ネパールでは『十地経』とともに九法宝典(Nine Dharma Jewels)に数えられている〔CiNii 論文 - 金光明経の教学史的展開について 14頁〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「華厳経」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Avatamsaka Sutra 」があります。 スポンサード リンク
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