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薪 : ウィキペディア日本語版
薪[まき]
(まき、たきぎ)とは、燃料として用意されたを含む)や木材、木材の廃材などの事を指す。なお、(特に木炭)とともに薪炭(しんたん)ということもある。

== 概要 ==
基本的には薪は伐採した木材を手ごろな大きさに手斧チェーンソーなどで切断し、さらに小さくまとめた物である。伐採直後の生木(なまき)は水分を多く含んでいる。水分は燃焼の妨げとなるため、伐採後に割り、木材を乾燥させる必要がある。
着火の際には、火の種を充分に大きくする目的で空気との接触面積が大きくなるよう、木の小枝や同程度の大きさに割り揃えた焚きつけと呼ばれる薪を使用する。充分に火が回った後は火持ちをさせるため、より太い薪を火にくべる。
薪はその他の燃料に対しての排出量と、エネルギー量に対する体積および重量の大きさからあまり効率的な燃料とは言えない。また後述のように2年程度乾燥させなければ不完全燃焼になりやすい。しかし、庶民が調達し易い燃料であるため、最古より人類に利用されてきた燃料の1つである。
含まれる炭素が赤く燃焼すると共に、により可燃性ガスが発生してを上げて燃える。それに対して、木材から揮発成分を抜いた木炭は、炎が出ないかまたは少なく、じっくりと長時間燃える製品もある。薪は、太さや樹種にもよるが、一気に強い火力よりも短時間に燃え尽きる事が多い。
このように伝統的なバイオマスエネルギーとして世界各地で利用されている薪炭であるが、国連食糧農業機関の推計した林業統計では、開発途上国における木材生産の8割が薪炭生産で占められている。そこで、森林減少の大きな要因は、材木会社などが行う用材生産ではなく、薪採取であるとする見解も生まれてきた。実際、朝鮮の前近代末では人里近くの山は禿山だらけであった。イギリスでは製鉄に木炭を使用していた時代に森林資源が大きく失われた。
しかし、樹木を伐採するのではなく、小枝を刈る形の利用であれば、切られた枝は再び生えてくるから、森林は再生可能な範囲で利用されている。そして、薪は木質バイオマスの有効活用であり、煮炊き、調理給湯などに使われる再生可能エネルギーである。そして、薪を採取する里山、柴山、入会地は、ローカル・コモンズであり、住民の管理の下に持続可能な利用が図られている。このように、森林が再生可能な範囲で利用する現地住民は、草の根民活として、持続可能な開発に参加しているといえよう。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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