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薬歴 : ウィキペディア日本語版
薬歴[やくれき]

薬歴(やくれき)とは、薬剤服用歴の事で薬剤師が行う調剤や服薬指導の内容を記録したものである。本来薬歴は保険調剤上の薬剤服用歴管理記録の事であるが一般的広義の意味として患者に関する情報、調剤や服薬指導の内容を記録したものが薬歴と呼ばれる。
== 概要 ==
薬歴は第22代日本薬剤師会会長である佐谷圭一によって昭和38年ごろ導入され薬剤師会などを通じ徐々に広められた。昭和61年の薬剤服用歴管理指導料導入で薬歴が必要とされた事で公に認められるものとなった。
なお、本来薬剤師が薬剤師法上記入が義務付けられているものは調剤録である〔薬剤師法第28条〕。薬歴は保険調剤上の薬学管理料の薬剤服用歴管理指導料算定のための要件の中で決められているもので、患者ごとに作成された薬剤服用歴に基づき、投薬に係る薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書又はこれに準ずるもの により患者に提供し、薬剤の服用に関して基本的な説明を行うこと〔平成26年厚生労働省告示第57号平成26年3月5日〕とされていて、調剤録とは別に薬歴を記録している。薬歴は明細に近い調剤録と異なり、保険調剤上の算定要件の中で、患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化、残薬の状況等の情報を収集し、その要点を薬剤服用歴の記録に記載するとともに、これに基づき、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行うこと〔平成26年厚生労働省告示第57号平成26年3月5日〕とされており、この性質上、薬剤師が行った服薬指導内容のみならず患者が持参した検査値などの記録など詳細に薬歴に記入されており、医師の診療録や看護師の看護記録に近いものになっている。お薬のカルテと称される事もある。本来は保険薬局における調剤報酬上の制度であったが、病院でも薬歴と呼ばれる同様の記録をつけており〔Net-リチェッタ-一緒に学ぶ調剤実務-外来患者における薬歴管理 ノバルティスファーマ株式会社 〕、病棟薬剤業務実施加算の算定要件の一つになっている〔薬剤師国家試験対策参考書青本改訂第五版⑨実務 薬学ゼミナール編集 p.515〕。保存期間は最終記入日から3年間である〔第十三改訂調剤指針 日本薬剤師会編〕


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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