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知藩事[ちはんじ] 知藩事(ちはんじ)は、明治時代初期に置かれた地方行政官の名称。県令(都道府県知事)の前身に当たる。藩知事とも言う。 == 解説 == 明治2年6月17日(1869年7月25日)、版籍奉還により領地・領民を朝廷に返還した旧藩主274名が任命されて成立した。これにより府藩県三治制という体制が確立した。 その職務は、徴税・賦役・生産力向上などの経済、刑罰・賞与などの司法、軍事、教育、戸籍調査など多岐に亘るものだった。 知藩事は従来の藩主に認められていた世襲がそのまま認められ、独自の軍隊・司法組織などを持つことが認められていた。その一方で、知藩事の家禄は藩の実収石高の十分の一と定められて藩財政から切り離され、藩の職制・禄制・兵制は中央政府が定めた規定に従うこととされており、藩の内情についても強く監督されていた。 しかし、当時の藩領と天領は複雑に入り組んでいたため、年貢の徴収は非効率的であった。そのため、国家財政の安定化を行なって明治新政府の中央集権を確立させる必要があった。このような事情に伴い、明治4年7月14日(1871年8月29日)に廃藩置県が実施され、知藩事全員が失職して華族となり、その役目を終えた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「知藩事」の詳細全文を読む
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