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虎尾山(とらおやま)は、三重県伊勢市にある山(丘陵)の名称である。 == 概要 == 伊勢市市街の東端、尾上町地区に位置する小高い丘であり、標高は50.9mである。明治末期には虎ヶ尾と呼ばれていたが、その後に笠松山と虎尾山の名称が併用して使用されるようになり、現在では虎尾山の名称が一般的に定着している。笠松山の呼称は、かつて頂上に松の木が植えられていたと言う事による物で、虎尾山の名称は虎尾川と呼ばれる小川が、江戸時代にここを源流として流れていた事による物であると言われる。 現在、山への参道は草木に覆われた獣道のようになっているが、頂上には明治聖代戦役記念碑として、昭和3年(1928年)より日露戦争の記念碑が建立されている。昭和期は、虎尾山一帯が「虎尾山遊園地」として整備されており、その一環で皇国史観教育に基づき、立てられた物であると見られている。 昭和20年(1945年)1月の外宮への空襲(宇治山田空襲)がきっかけとなり、同年2月に宇治山田防空隊が組織された。高射砲大隊、照空中隊があった。 詳細は不明だが、当時を知る方の話では虎尾山、徳川山、中村町、朝熊山麓、御薗町、高倉山に高射砲が有ったらしい。 古代に3基の古墳が築造されたと考えられている。長さ約25.5mのトンネル(虎尾山トンネル)でこの丘を貫通し、昭和44年(1969年)に近鉄鳥羽線の宇治山田駅・五十鈴川駅間が開通した。戦役記念碑は昭和40年代に何者かによりもーれつア太郎に登場するニャロメの落書きをされたことからニャロメの塔と呼ばれた。 近年は、戦役記念碑を訪れる者も無く荒れ果てる状態となっていたが、地元の特定非営利活動法人(自利利他)や、伊勢市を舞台にした小説『半分の月がのぼる空』(橋本紡/著、電撃文庫)の作中で、主人公とヒロインに縁の深い場所としてこの山が出てきたことから、そのファン等が日本全国から集まり、協力して定期的に山の清掃活動や整備をして(この活動には原作者の橋本も参加している、なお作中では、この山の名前は''砲台山''で頂上には旧日本軍の砲台跡があるという設定だが、実際の山にはない〔実際に「砲台山」と呼ばれている山は、千葉県富津市、広島県江田島市、山口県周南市などにある。いずれも『半分の月がのぼる空』とは無関係〕)、今では頂上まで気軽に行けるようになっている。この活動は、中日新聞などにも掲載されたことがある。 また、平成20年(2008年)1月中旬には再開発工事が始まることが決定している。そこで見納めに、とNPO法人 自利利他や全国から集まった『半分の月がのぼる空』のファンらが協力し、「砲台山ライトアップ計画」と題し、平成19年(2007年)から平成20年(2008年)の年越しにかけてライトアップが行われた。この取り組みも中日新聞折込の伊勢志摩ホームニュースに掲載された。 2015年9月29日、虎尾山の記念碑のそばで、伊勢市内の高校に通う3年生の女子生徒が包丁で胸を刺されて殺され、高校3年の男子生徒が逮捕される事件が起こった〔18歳少年を殺人容疑で逮捕 三重の女子高生死亡 朝日新聞 2015年9月29日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「虎尾山」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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