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虚構記事(きょこうきじ、)とは、辞書・百科事典類に故意に混入されている、虚構の記事・項目である。 一般に、架空の事物をでっち上げ、それがあたかも実在の事物であるかのように記述するという書き方をする。架空の事物を事実通り架空のものとして説明している記事は、虚構記事とは呼ばれない(例・エルキュール・ポアロ)。つまり虚構記事とは単純に「虚構について書かれた記事」を意味するのではなく、「記事そのものが虚構」である場合をいう。 このような記事をドイツ語で「」(ニヒルアルティーケル、「」はラテン語で「虚無」、「」はドイツ語で「記事」を意味する)と呼ぶが、英語でもそのまま訳されずに借用語として「」が使われることが多い。なお英語版Wikipediaには本項の訳語として「」(フィクティシャス・エントリー)が存在する。 虚構記事を指す言葉として、英語ではそのほかに「」(マウントウィーゼル)という用語が用いられることもある。この用語は1975年版の『新コロンビア百科事典』に挿入された虚構の人物記事「」(リリアン・ヴァージニア・マウントウィーゼル、これについては後述)に由来するもので、この虚構記事を紹介した『ザ・ニューヨーカー』誌の記事〔, , 〕で用いられた。 同様に、という実在しない語が新オックスフォード米語辞典(''The New Oxford American Dictionary'', NOAD)のCD-ROM第1版に掲載されたこともある。これは後述のように著作権侵害の発見を容易にする仕掛けでもあった。 == 概要 == 事典などで記事を探す場合、通常は外部からの参照を手掛かりにするが、虚構記事には一般にこのような参照が存在しない。それ故、虚構記事は多くの場合、たまたまページをめくっていて目に付くという仕方で発見されるしかない。しかし虚構記事であっても、人目に付きやすいように他の事実について述べた項目と深く関連付けられている場合がある。 例えば単純なパロディの形式をとる場合がそうだが、虚構記事は一見してすぐにそれと分かる方法で書かれている場合が多い。しかし場合によっては、現実の項目をまねて巧みに偽装されたものも存在する。同一の虚構記事が複数の事典から発見されるような場合、そのこと自体が権威付けとなって欺かれやすくなるだろう。虚構記事は一般に、事実について述べた項目と同じ書式で書かれる。人物記事などは書式が特徴的なため模倣しやすく、このことが虚構記事の多くが人物記事の形式をとっていることの一因であろう。 虚構記事の発見は、事典編纂者と出版社によって仕掛けられる一種のゲームだといえる。しばしばゲームは学術的パロディや風刺に発展し、他の事典や学術誌にまで波及することもある。非常に古い事典の場合、どれが虚構記事なのかを調査するための手立てがすでに失われていることもしばしばあり、そのようなケースでは、読者はただ怪しそうな記事についてあれこれ思弁を巡らせるよりほかない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「虚構記事」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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