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蛟竜 : ウィキペディア日本語版
蛟竜[こうりょう, こうりゅう]

蛟龍(こうりゅう、こうりょう、蛟竜)、すなわち(コウ; jiāo)は、中国のの一種、あるいは、姿が変態する竜種の幼生(成長の過程の幼齢期・未成期)だとされる。
日本では、「漢籍や、漢学に由来する蛟〔コウ〕・蛟竜〔コウリュウ〕については、「みずち」の訓が当てられる。しかし、中国の別種の竜である虬竜〔キュウリュウ〕(旧字:虯竜)や螭竜〔チリュウ〕もまた「みずち」と訓じられるので、混同も生じる。このほか、そもそも日本でミズチと呼ばれていた、別個の存在もあるので、これについてはそちらの項を参照。
ことばの用法としては、「蛟竜」は、蛟と竜という別々の二種類を並称したものともされる。また、俗に「時運に合わずに実力を発揮できないでいる英雄」を「蛟竜」と呼ぶ。言い換えれば、伏竜臥竜蟠竜などの表現と同じく、雌伏して待ち、時機を狙う人の比喩とされる。
==概要==
荀子』勧学篇は、単にのある竜のことであるとする。
述異記』には「水にすむ虺(き)は五百年で蛟となり、蛟は千年でとなり、龍は五百年で角龍、千年で応竜となる」とある。水棲の虺(き)というのは、蝮〔マムシ〕の一種のこととされる。
李時珍が編した『本草綱目』(鱗部、竜類)によれば、その眉が交生するので「蛟」の名がつけられたとされている〔幻想動物の事典サイト「蛟」の項〕。長さ一丈余〔本草綱目/鱗之一 (zh.wikisource)〕(3メートルほど)だが〔、大きな個体だと太さ数囲(かかえ)にもなる。蛇体に四肢を有し〔、足は平べったく盾状である〔。胸は赤く〔、背には青い斑点があり〔、頚には白い嬰〔(白い輪模様〔か襞〔『漢和大字典』(), p.1281〕、またはコブ?)がつき、体側は錦のように輝き〔、尾の先に瘤、あるいは肉環〔があるという。
ただし、蛟は有角であるという『本草綱目』に反して、『説文解字』の段玉裁注本では蛟は「無角」であると補足する。
『説文解字』(小徐(徐鍇)本系統)第14篇 では、「蛟竜属なり、魚三千六百満つ、すなわち蛟これの長たり、魚を率いて飛び去る」 (南方熊楠から引用〔; 南方の引用だと「池」の一字が脱落したしているので補遺。〕) とある。原文は「池魚滿三千六百..」で、この箇所は、<池の魚数が3600匹に増えると、蛟竜がボス面をしてやってきて、子分の魚たちを連れ去ってしまう、だが「笱」すなわち魚取りの簗を水中に仕掛けておけば、蛟竜はあきらめてゆく>という意味だそうである〔英語版Jialong (蛟竜):en:Special:Permalink/238011966 (20:55, 12 September 2008 Keahapana 版) を参照〕。
山海経』にも近似した記述があり、「淡水中にあって昇天の時を待っているとされ、池の魚が二千六百匹を数えると蛟が来て主となる」とある。これを防ぐには、蛟の嫌うスッポンを放しておくとよいとされるが、そのスッポンを蛟と別称することもあるのだという。
更に時珍(『本草綱目』)は、蛟の属種に「」がいるが〔、これは蛇状で大きく、竜のような角があり〔、鬣(たてがみ)は紅く〔、腰から下はすべて逆鱗となっており〔。「燕子」を食すとあるのだが、これは燕子〔つばくろ〕(ツバメ)と詠むべきなのか、燕子花〔カキツバタ〕とすべきなのか。これが吐いた気は、楼のごとくして雨を生み「蜃楼」(すなわち蜃気楼なのだという)。
また、卵も大きく、一二石を入れるべき甕のごとく〔とされる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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