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血小板無力症
血小板無力症(けっしょうばんむりょくしょう、)あるいはグランツマンの血小板無力症()は、血小板の機能異常によって、粘膜や皮膚の出血が止まりにくくなり、出血傾向を来たす疾患である〔小児慢性特定疾病情報センター 血小板無力症 、2015年12月最終確認〕。先天性血液凝固障害のひとつで、常染色体劣性遺伝の遺伝形式をとる〔冨山佳昭「血小板無力症」『血小板生物学』(池田康夫・丸山征郎ほか編集)、2004年、メディカルレビュー社、543頁〕。 == 概要 == 1918年、グランツマン(Glanzmann)によって、血小板数が正常にもかかわらず出血傾向を生じる疾患として報告された〔浅野茂隆・池田康夫・内山卓ほか監修『三輪血液病学 第3版』文光堂、2006年、1650頁〕。報告時の疾患名はhereditary hemorrhagic thrombastheniaで〔、直訳すると遺伝性出血性血小板無力症である。 血小板無力症は、出血時の止血に重要な役割を果たしている血小板の機能異常によっておこる〔。血小板は、血管の傷害が起こると、露出した血管内皮細胞のコラーゲンに反応して粘着・凝集する〔浅野茂隆・池田康夫・内山卓ほか監修『三輪血液病学 第3版』文光堂、2006年、1650頁〕。この凝集に関わる分子、GPⅡb/Ⅲa(αⅡbβ3インテグリン)が血小板上において欠損していることによって、血小板が凝集できなくなる〔MSD K.K 遺伝性内因性血小板異常 、The Merck Manual Online、2005年、2015年12月最終確認〕。血小板機能(質)の異常であるため、血小板数(量)は一般に正常である〔。 GPⅡb/Ⅲa(αⅡbβ3インテグリン)の欠損は遺伝子異常によるもので、常染色体劣性遺伝の遺伝形式をとる〔。この遺伝子異常は、GPⅡb/Ⅲaの量的異常と機能異常(質的な異常)に分けられる〔。症状としては、幼少時より鼻や歯肉からの出血、女性においては月経出血の増加など、皮膚粘膜出血が主で、ほかの血液凝固障害でよくみられる関節内出血は一般には認められない〔。日本においては、児童福祉法に定める小児慢性特定疾病に指定されている〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「血小板無力症」の詳細全文を読む
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