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衆議院議員任期延長ニ関スル法律(しゅうぎいん ぎいん にんき えんちょうニ かんスル ほうりつ)は、衆議院議員の任期を臨時に延長すること定めた法律。昭和16年法律第4号、1954年廃止。 4年の衆議院議員の任期を現任の衆議院議員に限って1年間延長することを定めた法律で、1941年(昭和16年)2月24日に公布され即日施行された〔中野誠『中野文庫』衆議院議員任期延長ニ関スル法律 〕。この法律が制定された当時は、4年前の1937年(昭和12年)4月30日に行われた第20回総選挙で選ばれた議員の任期満了が目前に迫った状態にあり、時の第二次近衛内閣は「現下の情勢は困難であり民心を選挙に集中させることを許さない」という理由で、翌年の3月31日までに任期満期となる府県会議員と市町村会議員の任期についてもこれを延長する法案を同時に提出、いずれも原案どおり可決された〔古屋哲夫『日本議会史録 3』「翼賛体制と対米英開戦」<第76~80回帝国議会> 2 第七六議会と翼賛会論争 (5) 選挙法改正問題と議員任期の延長 〕。 この法律により任期が1年間延長された衆議院議員は、それが満了となる1942年(昭和17年)4月30日まで、都合5年間の任期を務めることになった。またこれを受けて同日行われた第21回総選挙(翼賛選挙)で衆議院議員が改選され、この法律が対象とする議員がいなくなったため、以後この法律は事実上無効化したが、時限立法として書かれた法律ではなかったために、1954年(昭和29年)5月1日に公布され即日施行された「自治庁関係法令の整理に関する法律」により廃止されるまで、法律としては存続した。 また任期が延長された1年間の間に真珠湾攻撃が行われ、帝国臣民が選挙によって日中戦争の総括に政治的な意志を示せないまま太平洋戦争に突入した。 なお日本国憲法はその45条で衆議院議員の任期を4年と定めているため、今日では法律の改正をもって衆議院議員の任期を延長することはできない。 == 参考文献・外部リンク == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「衆議院議員任期延長ニ関スル法律」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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