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行刑密行主義[ぎょうけいみっこうしゅぎ] 行刑密行主義(ぎょうけいみっこうしゅぎ)とは、刑務所などの刑事施設や刑罰の執行状況などの情報をなるべく公開しない日本の法務省の政策のことである。とりわけ、死刑執行に関しては秘密主義が貫かれてきた。 == 概要 == 行刑密行主義は元来、死刑のみならず、懲役や禁錮にも導入されていた〔1977年(昭和52年)5月30日、日本弁護士連合会第28回定期総会「監獄法の改正に関する決議」は「従来の監獄行政は、とかく密行主義的に運用されてきたため、学者・法曹をも含め、国民は受刑の実態についてはほとんど知ることがなく、監獄法改正作業にも国民の意見や批判が未だ十分に反映されているとは云い難い」と指摘している。〕。しかしながら、戦後の受刑者の人権意識に対する変化から、行刑密行主義は死刑に限って適用されるようになり、懲役や禁錮は公開が原則となった。 従来、行刑密行主義は矯正行政に存在する政策として批判されていたが、近年、法務当局との癒着・一体化が進むマスメディアが行刑密行主義に加担する現実に対し、健全な法治主義・民主主義が損なわれているとの批判がある。たとえば、辺見庸は、死刑についての論考『愛と痛み』において、「日本のメディアは『刑を執行した』と言うが「絞首刑にした」とは言わない」と指摘している。 死刑執行の時期に関しては、執行が早くなったり遅くなったりすることがしばしばあるが、理由については、法務省は一切明かしていない〔情報公開法に基づく当該情報の開示請求はすべて非開示決定がなされている〕。行刑密行主義によって死刑執行が明らかになることは本来なら無いが〔法務大臣記者会見において過去に執行を報告した事例は無い。〕、死刑確定から死刑執行までの間にはかなりの開きが発生する。このため、法務省がマスコミ各社に対して執行に関する情報を秘密裏に与えるがために死刑執行が報道されるのである〔1969年(昭和44年)12月2日 産経新聞〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「行刑密行主義」の詳細全文を読む
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