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行商人 : ウィキペディア日本語版
行商[ぎょうしょう]

行商(ぎょうしょう)は、(特定の店舗を持たず)商品顧客がいるところへ運び販売をする小売業サービス業)のこと。
== 略歴・概要 ==
行商は、客の注文を受けて運搬して行く配達とは違い、顧客のいそうな地域を商品を運搬しながら販売する方法で、広義には定期的に開催される市場を巡って物品を販売する業態や、所定の地域を巡回しながら呼び止められたらその場でサービス(専用の道具と技能を必要とする作業)を提供する羅宇屋、包丁・はさみ研、靴磨きのような業態も含まれる。小売業に対して使用される言葉であり、卸売りは行商とは言わない。商品の質(消費期限 / 賞味期限の長短)によっても行商範囲は異なり、取れたその日に消費される必要のある生鮮食品都市周辺部や都市内部で採れたり作られた食品を運んで売り歩くが、より長期間の保存ができる物品などでは都市から都市へと渡り歩くような業態も存在する。
運搬は、現代では背中に背負って電車などの公共交通機関を利用したり、自転車オートバイやリヤカー、あるいは軽トラックなどの自動車を使うことが多い。また、江戸時代には天秤棒を担いで、その両端に売りものをぶら下げて担いで運搬することがあった。販売の場所は路上や空き地、公園の一角を間借りするか、あるいは戸別訪問をする。
商売は元来、販売される商品がたくさんある場所や人から多くない場所や人へ融通するものであり、行商はそれを仲立ちする商売の起源ともいえる販売方法である。
なお、元来固定施設(店舗)で営業することがほとんどであった業種でも自動車に営業設備を設けて営業する形態が近年増えてきている。この設備を移動店舗と、またこの販売形態を移動販売と称し、一般的に行商の用語は用いない。加えて移動式の施設を用いて飲食物を提供する形態を屋台と称するが、移動する範囲も狭くて行商と称することは稀である。
世界的に見てもこういった業態は多々存在し、都市部の市場で仕入れた物品を村落などを巡回する形で売り歩いた商人などの例は古今東西で枚挙に暇が無い。
この中にはシルクロードを行き交った商人たちのように、命懸けで山越え・砂漠越えをして点在する集落に物品を持ち込んだ者もいれば、そうやって多くの商人の手を経てもたらされた異国の物品をまことしやかな説明を付けて売る者も一部には存在した。中世ヨーロッパにおけるオカルティズムの中には、そういった商人の作り上げた説明が、真に受けられたと考えられる物品も数多く伝わっており、例えば「ウニコール」(イッカククジラの牙)がユニコーンの伝説と関連付けられ、解毒薬として流通していた。
いわゆる貿易も、当初の頃はこういった行商で都市間を巡回していた商人らが担っており、これが交通・輸送技術の発達にも従い、より組織化され相互連結されて海外貿易などの極大な交易網に発展していったと考えられる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「行商」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Peddler 」があります。



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