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表面重力[ひょうめんじゅうりょく] 表面重力(ひょうめんじゅうりょく、) は、天体やその他の物体の表面で体験する重力加速度を意味する。表面重力は、物体表面近傍のテスト粒子が受ける重力加速度と見なせる。このテスト粒子は、物体に対する相互作用が無視できるほど小さな質量の粒子であることが仮定される。 表面重力は加速度の次元を持ち、SI単位系における単位はメートル毎秒毎秒である。また、天体の表面重力は地球の標準重力加速度 の倍数としても表現されることがある〔p. 29, The International System of Units (SI) , ed. Barry N. Taylor, NIST Special Publication 330, 2001.〕。天体物理学では、重力加速度の cgs 単位系における値の 10 を底とする対数〔ここで対数をとる は、表面重力を cgs 単位系の単位加速度 で割ったものである。単位付きの量の大きさは、それを表す単位によらず変わらないことに注意。たとえば物差しの長さを 1 m としても 100 cm としても実物の大きさは同じである。〕 として表面重力を表すことがある。重力の作用は物体の質量によらず等しく、重力を受ける物体の質量が であろうと であろうと変わらないため、 と単位換算すれば、地球の表面重力の cgs 単位系における値は となる。また の値は 2.992 となる。 白色矮星の表面重力は非常に強く、中性子星の表面重力はさらに強い。中性子星は密度が高く半径の小さい天体であるため、その表面重力の大きさは にも達し、典型的にも 程度のオーダーになる(この値は、地球の表面重力の 倍である)。中性子星が非常に大きな重力を持つという観測事実から、中性子星の脱出速度は 程度(光速度のおよそ 1/3)の大きさであることが示される。 ==質量および半径との関係==
ニュートンの重力理論によれば、物体に及ぼされる万有引力(以降では単に重力と呼ぶ)の大きさはその物体の質量に比例する。つまり、ある物体の質量を 2 倍にすると、その物体に及ぼされる重力の強さも 2 倍になる。また、ニュートンの重力は逆2乗の法則にも従い、遠く離れた天体から物体に及ぼされる重力の強さは、物体と天体の距離の逆 2 乗に比例する(言い換えれば距離の 2 乗に反比例する)。例えば、物体と天体の距離を 2 倍に離すと、天体から及ぼされる重力は 1/4 となり、距離が 10 倍になれば重力の強さは 1/100 となる。同様の法則は光の強度についても成り立ち、点光源から出る光の強さは、点光源との距離の逆 2 乗に比例して小さくなっていく。 通常、惑星や恒星のような大きな物体は、静力学平衡(すべての表面上の点が同じ量の重力ポテンシャルを持つ)となるように、ほとんど球形になる。静力学平衡形へ向かうメカニズムはスケールによって異なる。小さなスケールでは、高地が侵食され、侵食された部分が低地へと堆積することによって平衡形へ向かう。大きなスケールでは、惑星や恒星そのものが変形することによって平衡形へ向かう〔Why is the Earth round? , at Ask A Scientist, accessed online May 27, 2007.〕。この静力学平衡へと向かう作用から、自転の速度が比較的小さな多くの天体の形は、ほとんど球形であると考えることができる。しかし、巨大な質量を持った若い星については、その赤道上の自転速度が非常に大きく、 かそれ以上に達するため、例外的に大きな(赤道部分の膨らみ)を持つ。そのような高速回転星()として、アケルナルやアルタイル、レグルスA、ベガが知られている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「表面重力」の詳細全文を読む
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