|
裁定価格理論(さいていかかくりろん、)とは金融資産の期待収益率のクロスセクション構造を記述する理論。により1976年に発表された。金融資産の収益率の分布に対して資産価格モデルの一つである資本資産価格モデル(CAPM)とは異なる仮定を置き、さらに裁定概念を用いることで、CAPMが成立する為に必要な仮定を緩めることに成功している。裁定価格理論は資産価格モデルの類型の一つであるマルチファクターモデルの理論的基礎と見なされ、資産価格理論においては基本的なものの一つである。 == 概要 == 任意の金融資産 の収益率を とする。全ての金融資産の収益率 は以下の方程式で決定されると仮定する。 : ここで * は各金融資産 に固有な定数のパラメータを表す。特に を因子負荷量(またはファクターローディング、)と言う。 * は期待値が0である、あらゆる金融資産 に共通のファクターである〔期待値が0であることは全く制約的な仮定ではない。実際、期待値が0とは限らないファクターに対して、 が成り立っていたとする。この時、 かつ とすれば、 と期待値が0のファクターとしての表現に書き直すことが出来る。〕。 * は期待値が0の誤差項を表す。 さらに次を仮定する。 : この仮定により、全てのファクター は全ての誤差項 と無相関(相関係数が0)である。 この時、金融市場における金融資産の数が十分に多いと仮定できるならば、任意の金融資産 について次の等式が近似的に成立する〔。 : ただし、 は安全資産の金利であり、 は各ファクターに対するリスクプレミアムである。 裁定価格理論においては金融資産の収益率が複数のファクターによって決定されることから、マルチファクターモデル()と呼ばれる。資本資産価格モデル(CAPM)もまた裁定価格理論で説明可能である。というのもファクターに市場ポートフォリオの収益率を選択すればよいからである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「裁定価格理論」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|