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装弾筒付翼安定徹甲弾 : ウィキペディア日本語版
APFSDS

APFSDS(Armor-Piercing Fin-Stabilized Discarding Sabot)は、戦車主砲などに使用される砲弾で、装甲を貫くのに特化した砲弾である。日本語では装弾筒付翼安定徹甲弾(そうだんとうつきよくあんていてっこうだん)などといわれる。開発当初はAPDSとの対比としてAPDS-FSと呼ばれていた。この呼称は、いまだに一部の国で使われている。
== 侵徹の物理 ==
APFSDSは、従来の徹甲弾とは全く異なった思想でデザインされている。1,500m/sec前後で着弾すると装甲と侵徹体は狭い領域で高圧に圧縮されるために、それぞれが流体としてふるまい(塑性流動)、相互侵食を起こして機械的強度を無視し、装甲を貫徹する。侵徹体の先端はマッシュルーム状に広がりながら装甲にめり込み侵入する。侵徹体は穿孔によって先端から失われてゆくため急速にその長さを失って行き、装甲厚に対して十分な長さが無ければ穴だけが残され、長さがあれば残端が装甲内部に飛び込んで加害する。侵徹体は穿孔によってその速度も急速に失われて行き、最低限の侵徹速度が穿孔途中で失われた場合には穴の中に侵徹体の残りが残される事がある。タングステン合金弾が製装甲板に穿孔する場合では850m/sec以上、鋼製の侵徹体が鋼製装甲板に穿孔する場合では1,100m/sec以上の速度が無いと流体としての侵徹は停止し、固体としての物理作用に移行する。
侵徹は装甲に対してほぼ平行に着弾した場合を除き跳弾を起こすことは無く、滑らすという意味での避弾経始は殆ど機能しない〔一戸祟雄著 『現代戦車砲の主用砲弾 APFSDS』 「軍事研究」2008年8月号 (株)ジャパン・ミリタリー・レビュー 2008年8月1日発行〕。APFSDSが装甲を貫通するためには、着弾時の速度、侵徹体の長さ、座屈しないための靱性、展性の高さの4つが必要である。着弾時の速度が低速であれば従来の徹甲弾より貫徹力が劣る。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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