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紙背文書[しはいもんじょ] 紙背文書(しはいもんじょ)とは、和紙の使用済みの面を反故(ほご)として、その裏面を利用して別の文書(古文書)が書かれた場合に、先に書かれた面の文書のことをいう。後で書かれた文書が主体となるので、先に書かれた文書が紙背(裏)となる。裏文書(うらもんじょ)ともいう。 == 概要 == 古くは和紙が貴重品であったために、使用済みの面を反故として、白紙の状態である裏面を利用して別の筆記を行っており、漉返紙と並んで和紙の再利用法として活用されていた。また、奈良時代から具注暦の余白部分に日記を書く習慣が生まれたが、書ききれなかった部分を紙背に追記して記述した。他に、後日、補筆・清書作業を行うことを考慮し、そのための参考内容を調達の容易な紙背を利用して執筆した文書などがある。万葉仮名、仮名消息など、かなの発達史上、重要な紙背文書が多くある。また、長期保存する必要のない動産管理の文書も見受けられるため、庶民の財産状況を知る手がかりにもなり、史料価値が高い〔網野善彦「中世民衆生活の様相」『中世再考』講談社,2000年,ISBN 978-4061594487 等〕。
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