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補部(ほぶ、英:''complement'')は、統語論において、主要部と密接な関係にあり、主要部を補って句を完成させる構成素。学校文法の補語も ''complement'' の訳語だが、異なる概念である。英語圏においても、言語学と学校文法の間で、定義・適応範囲が異なる〔英語圏における ''complement'' の定義・適応範囲の違いについては、 Matthews (1981:142f.) および Huddleston (1988:note 2) を参照。〕。両者に共通するのは、 ''complement'' は別の語句の意味を補う(完成させる)ために必要な語句だということである〔Crystal (1997:75).〕。本項では主に、言語学における ''complement'' 、すなわち補部について述べる。 補部とは、項のうち、主要部と同じ句の内側にあるものを指す〔。Xバー式型においては、主要部と補部は姉妹関係にあり、ともにX’を成す〔〔。補部は主要部によって選択され〔〔、その種類と数は主要部の性格によって決定する〔。 一方、(''adjunct'')は、主要部が選択する語句ではなく、随意的な要素である〔〔。Xバー式型においては、上記のX’と姉妹関係にあり、ともに上位階層のX’を成す〔〔。 == 伝統文法における補語 == 伝統的な学校文法においては、英語の基本文型のうち、第2文型(S+V+C)のCが主格補語(''subject complement'')、第5文型(S+V+O+C)のCが目的格補語(''object complement'')と呼ばれる〔〔Matthews (1981:3ff.), Downing and Locke (1992:64f.), Thomas (1993:46, 49), Brinton (2000:183f.).〕。 ; 主格補語の例 * Ryan is upset. * Rachelle is the boss. * Marie is the treasurer. ; 目的格補語の例 * That made Michael lazy. * We call Rachelle the boss. * The class appointed Marie treasurer. この定義における”補語”は、学校文法では広範囲にわたって用いられているが、現代言語学における”補部”とは異なる用語である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「補部」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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