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『裸者と死者』(らしゃとししゃ、原題:''The Naked and the Dead '')は、ノーマン・メイラーによって1948年に発表されたアメリカ合衆国の小説である。第二次世界大戦のフィリピン・キャンペーンでメイラーが第112騎兵連隊に所属していたときの体験に基づいている〔Academy of Achievement 〕〔Google Books 〕。メイラーの小説としては初めて出版されたものであり、その小説群の中で売上げトップであり続けている〔B&N book search, 22 March 2009 〕。メイラーの小説家としての評判を確立し、国際的認識を得るもとになった。 1958年には同名タイトルで映画化されている。裸者と死者 (映画)を参照。 == あらすじ == 南太平洋の孤島、アノポペイ島を舞台にして、カミングズ将軍が指揮するアメリカ軍1個師団が島に立て篭もる日本軍を駆逐しようとする中で、1つの偵察小隊に焦点を宛てて話は進む。 第一部「波」は、島に向う輸送船の中の描写で、偵察小隊の兵士が紹介される。上陸作戦を敢行中に隊員のヘネシーが日本軍の榴霰弾に当たって戦死する。 第二部「陶土と型」は全編の5割以上を占めるもっとも長い部分である。ここではアメリカ軍が島への上陸を成功させ、ある程度は日本軍を後退させたものの、日本軍の堅い防衛線を前にしてこう着状態にはいってしまう。暴風雨のあった夜に日本軍が夜襲を掛けてくるが、カミングズの巧みな部隊配置でこれを斥ける。偵察小隊は対戦車砲2門をもって第1大隊のところまで行く任務を与えられる。川床を横切るときに対岸の4.5 m の傾斜を登らねばならず、ワイマン、トグリオ、ゴールドスタインの組は耐え切れなくなって対戦車砲を川床まで落として壊してしまう。この件でクロフトはゴールドスタインを糾弾する。その夜、機関銃座を任された小隊に日本軍が攻撃をかけてくるが、クロフトが中心になって撃退する。このときトグリオが負傷する。ある日、クロフト、レッド、ギャラガーの3人は飲料水と食糧を補給に出て、3名の日本兵に遭遇しクロフトが手榴弾で倒す。レッドが止めを刺すことを命じられ日本兵の死体に近付くと1人がまだ生きており、レッドに向ってきたので、レッドは逃げるしかなくなる。ここはクロフトの機転で日本兵を捕虜にするが、クロフトはその捕虜を射殺する。その夜ウィルソンが手に入れてきた蒸留酒で酔っ払った隊員は日本兵の死体が散乱している戦場に行き、戦利品を得ようとする。マーチネズは死体の金歯を外してポケットに入れる。結局隊員は死体の下から出てきた蛇に驚いて退却する。ギャラガーは身重の妻を国に残してきていたが、ある日従軍牧師に呼ばれて行くと、妻が出産のときに死んだことを報らされる。ギャラガーは暫く麻痺状態が続く。周りの隊員もその扱いに苦慮する。 一方カミングズの副官ハーン少尉は、将軍のテントで2人きりで話し込んだり、チェスを指したりする親密な仲であり、特別待遇されているといっても良い状態だった。ある日、将軍の命令で沖合いに来た輸送船から将校用食糧補給品を担当官の許可する以上に持ち帰った後、将軍のテントのきれいに清掃された床にタバコの吸殻を落として立ち去る。カミングズはハーンを呼びつけ、吸殻を拾わせた後、副官の解任と参謀のダルスン少佐の下への転属を申し渡す。カミングズは局面の打開を図るために迂回侵攻作戦を考え、その立案をダルスンに任せる。ハーンは叩き上げのダルスンとの人間関係がうまくいっていなかったが、カミングズが来たときに作戦地図を貼った製図版を落としてカミングズの脛に当ててしまう。カミングズはハーンがわざとやったと判断し、ハーンを偵察小隊の隊長に転属させることを決める。カミングズは作戦を補う為に島の反対側から日本軍の後ろに1個中隊を送り込むことを考え付き、その中隊の前に偵察小隊を斥候に出すことにする。 第三部「植物と幻影」は偵察小隊が斥候に出て苦闘する様子が描かれる。ハーンが小隊長になっているが、特務軍曹のクロフトは面白く思ってはいない。島の裏側に上陸した小隊は密林の中を川に悩まされながら進む。ハーンは急流を率先して渡って隊員に範を示す。2日目、丘陵部の谷間に進んだ時に日本兵に待ち伏せされ、1マイル以上撤退した後でウィルスンがいないのに気付く。クロフト達が探しにいくと腹を撃たれて倒れているウィルスンを発見し、連れ戻す。ブラウン、スタンレー、リッジズ、ゴールドスタインの4人がウィルスンを担いで海岸に戻ることになる。担架に使う棒材を切り出しに行ったロスは傷付いて飛べない小鳥を見つける。クロフトはロスが連れてきた小鳥を握りつぶし遠くに投げ飛ばしてしまう。これに怒ったリッジズやレッドがクロフトに反抗するが、ハーンが割ってはいる。クロフトはロスに謝る。担架隊が出発したその夜、ハーンは一旦引き返す決心をしてクロフトに相談するが、クロフトはマーチネズを探りに行かせてから判断するという提案を行う。マーチネズは日本兵の露営地に侵入し、機関銃座で歩哨をしている日本兵一人をナイフで殺す。マーチネズは小隊に戻ってクロフトに報告するが、クロフトはハーンには報告しないように命令する。3日目、ハーンは再度前日に待ち伏せされた谷間に進むことを決める。その半時間後、ハーンは日本兵の機関銃弾に胸を撃ちぬかれて即死する。クロフトに指揮が戻った小隊は引き返し、島の高峰であるアナカ山に登ることを選択する。上りが続く道で隊員の消耗は激しく、ロスとワイマンは遅れがちになる。30cmに満たないような岩棚を進んでいる途中で、1m以上の割れ目に行き当たる。隊員は苦労してそれを飛び越えるが、ロスが飛び越えるのに失敗して墜死する。4日目の朝、マーチネズとギャラガーはクロフトに引き返すことを提案するが、クロフトは受け入れない。出発する時になって今度はレッドが反旗を翻す。しかし、クロフトに銃を突きつけられ、仲間も行動しないのを見たレッドは屈服する。アナカ山の頂上が近付いた頃、クロフトは大熊蜂の巣にぶち当たってしまう。蜂に追われた隊員は銃や背嚢を放り出し、必死で逃げ出す。クロフトは退却することに決め、翌日には海岸に戻った。 担架隊はウィルスンを担いで下っていく途中、体力を消耗し尽してしまう。ブラウンとスタンレーが脱落し、ゴールドスタインとリッジズの2人だけで、担架を担いで進む。翌日リッジズはウィルスンの求めに応じて水を飲ませてしまう。それから暫くしてウィルスンは死ぬ。2人は死人となったウィルスンを担いで密林の中を進む続けるが、急流に足を取られて流してしまう。 参謀本部のダルスン少佐は、将軍が駆逐艦の応援を得るために軍本部へ行った間、事実上の指揮官になっていた。ある中隊が日本軍の防衛線背後にある露営地が放棄されているのを発見する。ダルスンは処置に悩むがそこを占領させ、さらに予備隊を送り込む決断をする。予備隊は日本軍の補給品貯蔵所まで占領してしまう。翌日には日本軍が壊滅する。 第4部「船跡」は最も短い部分である。アメリカ軍は逃げる日本兵を掃討し、大きな戦果を上げる。日本軍は物資も弾薬もほとんど尽き掛けていた。カミングズ将軍は自分がいない間に、無能と考えていたダルスン少佐の指揮で戦局を一気に変えてしまったことに当惑する。またハーンが戦死したことに苦痛と満足のこんがらかったものを感ずる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「裸者と死者」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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