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『複合汚染』(ふくごうおせん)は有吉佐和子の長編小説。1974年10月14日から1975年6月30日まで朝日新聞に連載された。連載中から大きな反響を呼び、連載終了前の1975年4月に新潮社から単行本上巻が出版され、7月に出版された下巻とあわせてベストセラーとなった。現在でも環境問題を考える上でしばしば言及されるロングセラーとなっており、レイチェル・カーソン『沈黙の春』の「日本版」にも例えられる。 タイトルの「複合汚染」とは、複数の汚染物質が混合することで、個々の汚染物質が単独の場合に与える被害の質、量の総和を超える相乗的な汚染結果があらわれることである。 == 概要 == 本作品は環境汚染問題について社会に警鐘を鳴らすことを目的として書かれた。主な指摘は、 *農薬と化学肥料使用が農製品と生態系に与える悪影響、及び有機農業、共栄作物利用の試みの紹介。 *界面活性剤を含む洗剤使用の人体及び生態系への悪影響。石けんがより安全であること。 *合成保存料、合成着色料など食品添加物使用の危険性。 *自動車エンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物の危険性。 *上記の化学物質が生体濃縮で蓄積されていく過程。 *化学肥料開発と火薬開発の並行性。化学合成技術の発達と戦争、軍需産業との連関。 である。すでに水俣病や四日市ぜんそくの被害などから、「公害」問題の深刻さは意識されていたが、個々の現象を単独に捉えるのではなく、自然環境の破壊という大きな問題系の中で関連づけて考えるべきであることを、やや扇情的だが平易な筆致で描き出したところに意義がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「複合汚染」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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