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西瓜図
《西瓜図》(すいかず)は、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎による肉筆浮世絵。北斎80歳の晩年の作で、縦長の画面に菜切り包丁の置かれたスイカを描き、乞巧奠(七夕)の見立絵とされる。光格上皇の御嘉賞(お褒めの言葉)を賜った品と伝わる。現在は宮内庁三の丸尚蔵館所蔵。 == 内容 == 絹本着色の肉筆画である。半分に切ったスイカの切り口に和紙を被せ、その上に菜切り包丁を斜めに置く。包丁の柄はスイカからはみ出し、刃は手前に向けられる。包丁の刀身には、刃物の銘であるかのように柄近くに「応需」〔「需(もと)めに応じる」すなわち、特別な依頼によって描かれたという意。〕の二字が書き込まれ、腹部分には数個の白い点がある。スイカを見ると、黒い種の並びは不規則で、白い網目状の筋が走るが、これはスイカをヘタからシリに向かって縦に切ったのではなく、横に切った時の断面の描写である。上空に渡された縄には、桂剥きされたスイカの皮が果肉の赤いものと白いものと1本ずつ吊るされている。奇妙にねじれながら垂れ下がる皮は縦長の画面の大部分を占め、縄は皮の重みでたわんでいる。背景には薄く藍色が塗られ、上は濃く下に向かって淡くグラデーションをなしている。これが空の青か闇の表現なのかは判然としないが、空間的な奥行きをもたらしている〔本節の作品記述は主に今橋論文を参考にした。cf. 〕。 画面右下には「画狂老人卍筆/齢八十」という北斎の款記と白文方印「かつしか」一顆がある。
File:Close-up Suika-zu by Katsushika Hokusai.jpg|包丁の刀身部分。 File:Signature in Suika-zu by Katsushika- Hokusai.jpg|落款部分。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「西瓜図」の詳細全文を読む
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