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要素還元主義 : ウィキペディア日本語版
還元主義[かんげんしゅぎ]
還元主義(かんげんしゅぎ、、)は、
日本で比較的定着している定義では
*考察・研究している対象の中に階層構造を見つけ出し、上位階層において成立する基本法則や基本概念が、「いつでも必ずそれより一つ下位の法則と概念で書き換えが可能」としてしまう考え方のこと〔平凡社『世界大百科事典』〕。
*複雑な物事でも、それを構成する要素に分解し、それらの個別(一部)の要素だけを理解すれば、元の複雑な物事全体の性質や振る舞いもすべて理解できるはずだ、と想定する考え方
上記のような考え方・主張に対する否定的な呼称。
要素還元主義とも言う〔。
ただし、最近では次のような定義をされることもある。
* (1) 異なる知識の領域や分科同士の関係、または (2)部分と全体の関係に対するいくつかの立場、 を指す語〔Ingo Brigandt and Alan Love,Reductionism in Biology in: The Stanford Encyclopedia of Philosophy.〕。
またそれぞれの分野で(批判的な意味を込めずに)特定の立場や理論を指す代名詞として用いられることもある〔例えば次のインタビューでインタビュアーは還元主義を「古典遺伝学は分子生物学に完全に置き換えられる」と言う主張と「遺伝子選択説」の二つの異なる立場の代名詞として使い、反還元主義を「古典遺伝学は分子生物学に置き換えられない」と言う主張と「マルチレベル選択説」の代名詞として用いている。フィリップ・キッチャーは二つの「還元主義」が対立しておらず、還元主義的(研究)プログラムの是非はそれぞれの議論の詳細に依存すると答えている。INTERVIEW WITH PHILIP KITCHER Human Nature Review 2004 Volume 4: 87-92 ( 7 February )〕。
還元の英訳は「削減」を意味するであるが、これは概念や法則の多様性を減らすという意味で理解することができる〔。
==概説==
自然科学の領域では、"最下位"とされる階層は、原子から素粒子へと移り変わってきたものの、素粒子論が扱うような微視的世界と古典力学が扱うような巨視的な世界の間には、埋めることのできない理論的なギャップがあることは指摘されている〔。巨視的階層の事物・事象を微視的階層に完全に還元することは、実際上は不可能である〔ともされる。
還元主義に陥っていることが端的に表れている表現として「.....にすぎない」や「...にしかすぎない」というものがある〔〔岩波書店『哲学・思想事典』〕〔その他の書籍でも頻繁に指摘されている。例えばカール・ポパーの著書など。〕。
還元主義に関してしばしば問題となるのが、この「~にしかすぎない主義(nothing but ...ism)」 とでも呼んだほうがよいような極端な主張である〔。
還元主義の歴史は古く、古代ギリシャまで遡ることもできる。(→#歴史
否定的に語られる還元主義だが、近代科学の発展にそれなりに寄与した面もある。(→#成果
近年では還元主義の難点を認識する人は増え、科学の領域でも「複雑系の科学」が生まれ、また「創発」など様々な概念を用いて、ものごとを理解しようという試みが続けられている。(→#難点の認識と改善の試み
尚、還元とは何を意味しているのか、何が何に還元されようとしているのかが曖昧なまま用いられることがある〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「還元主義」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Reductionism 」があります。



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