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視神経脊髄炎 : ウィキペディア日本語版
視神経脊髄炎[ししんけいせきずいえん]

視神経脊髄炎(ししんけいせきずいえん、Neuromyelitis optica)は重度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする疾患である。Devic病とも呼ばれている。
== 歴史的背景 ==
1894年にDevicは「視神経炎を伴った亜急性脊髄炎」という1例を報告した。同じ年にDevicの弟子であるGaultは過去の症例報告とDevicの症例まとめて16例を集めて視神経脊髄炎(NMO)という名称を提唱した。その後、多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)との異同が長らく議論されてきた。特にNMOはMSの亜型なのかそれとも独立した疾患なのかという点が長らく議論された。独立した疾患と考えられた根拠はオリゴクローナルバンドが陰性であること、急性増悪時の髄液細胞数が50/μL以上であったり、多形核白血球が優位に増加する症例があること。剖検例では脳病変が少ないこと、壊死性病変がしばしば認められるという点でMSと異なるという意見があった。またNMOでは単相性の経過をとることも知られていた。なお、東北大学などの検討では視神経と脊髄炎がともに1回のみエピソードであれば発症間隔にかかわらず単相性NMOとし、一方いずれかが2回以上の急性増悪があれば再発性NMOとしている。単相性NMOは男女ともにみられ感染後に発症する疾患であることが多く、再発性NMOは自己免疫の背景を持った女性に多い疾患という特徴がある。このような特徴が見出されていたが独立疾患として認識されにくかったのはバイオマーカーがなかったからである。
2004年にメイヨークリニックと東北大学からNMOに特異的な自己抗体NMO-IgGが発表された。2005年にその標的抗原が中枢神経の主要な水チャネルでありアストロサイトのendfeetに密に発現しているアクアポリン(AQP)4であることがわかった。以後NMO-IgGは抗AQP4抗体と呼ばれることが多くなった。抗AQP4抗体陽性症例の解析から約9割は女性であり、発症年齢は30歳代後半とMSよりも高く、再発は平均年に1回と多く、1/3の症例で片眼が失明しており3椎体以上の長い脊髄病変は9割の症例にみられるなどNMOの臨床的な特徴が明らかとなった。2006年度のWingerchunkらが新たなNMOの診断基準を作成した。診断基準では全身性エリテマトーデスシェーグレン症候群など膠原病や膠原病類縁疾患の徴候があった場合はその病変はNMOではなく、膠原病や膠原病類縁疾患の中枢神経症状と考える。抗AQP4抗体陽性症例のうち視神経炎あるいは脊髄炎のいずれか一方のみがみられる症例もあり2007年にWingerchunkらはNMOスペクトラムを発表した。
NMOの急性期病変ではAQP4やGFAPといったアストロサイトの蛋白質が広範に欠失すること、NMOの急性増悪期における髄液GFP濃度の著名な上昇、実験では抗AQP4抗体はアストロサイト障害性をもつといったことが明らかとなりNMOをMSのような炎症性脱髄疾患に分類することが不適切と考えられるようになった。astrocytopathic diseaseと分類するべきという意見がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「視神経脊髄炎」の詳細全文を読む



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