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訓閲集[きんえつしゅう] 『訓閲集』(きんえつしゅう)は、平安時代中期に大江維時が唐からもたらした中国兵家の陰陽書を和訳した書物。全120巻から成る。 == 作述理由 == 維時は10世紀初め頃に唐から『六韜』『三略』や「軍勝図」(諸葛孔明の伝)といった中国兵書を国内に持ち帰り〔『本朝武芸小伝』に記述が見られる(「(前略)軍勝図四十二条を得て帰朝す」とある)。〕、以降、大江家の日本における兵家としての立場を確立することとなるが、これらの兵法書を「人の耳目(じもく)を惑わすもの」とし(これら中国兵書を他家に伝えたのは、古代では勅命によりやむを得ない場合に見られる)、秘伝書にし、代わりとして当書を記し、後世に伝えた。従って、大江家にとって、比較的、他家へ伝えてもよい兵書として編纂・和訳されたものとみられる〔実戦的なことより、まじない的な記述が目立つと『鈐録(けんろく)』には記述されている事からも大江家の意図がわかる。〕(後述の「後代の伝書」の岡本半介も参照)。
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