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誘導[ゆうどう]
誘導(ゆうどう 英:induction)とは、生物の発生における現象で、ある部位が別の部位に対して、特定の構造への分化を促す働きかけをすることである。シュペーマンによって発見された。 ==概説== 生物の、特に動物の発生は、細胞分裂による細胞の増殖と共に、それぞれの細胞が特定の組織や器官に分化していく過程である。このとき、細胞自身は自律的に分化する能力も持っているが、他の細胞や組織からある種の作用を受けることで異なった方向へ分化を始める例が知られる。このような細胞間の相互作用を誘導と呼ぶ〔浅島・武田(2007),p.46〕。 この現象ははじめにシュペーマンによって発見された。彼はイモリの原口背唇部が発生の際に特別な振る舞いをすることに注目し、その部位を別の胚に移植することで、本来の頭部以外に新たに一つの頭部(二次胚)を持つ胚を作らせた。これによってこの部位が周囲に働きかけて頭部を構成する諸器官を作らせるものとして、その働きを誘導と呼んだ。それから同様の現象は他の部位でも見られることを示し、誘導が発生の様々な段階に見られること、その連鎖的な反応で胚の形が作り上げられることを示した。なお、原口背唇部自体も誘導の結果によって作られることは、後に示されている。 誘導の機構や原因物質の解明は、その当時は明確にすることが出来ず、これは後に分子遺伝学等の発展により、研究が進み始めた。特にニューコープによって発見された中胚葉誘導は、その解明が進む契機となった。だが、詳細については未だに不明の部分が大きい。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「誘導」の詳細全文を読む
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