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読書する女[どくしょするおんな]
『読書する女』(どくしょするおんな、原題:''La Lectrice'')は、1988年のフランス映画。レイモン・ジャンの同名の小説をミシェル・ドヴィルが映画化した作品。癖のあるお客相手に本を読んで聞かせるヒロインをミュウ=ミュウが演じる、ちょっと変わった知的ライト・コメディ。ヒロインが現実と本の中の主人公になりきり、現実と本の中の境界線が曖昧になっていく不思議な作りでもある。 == ストーリー == 読書好きのコンスタンスは恋人と同棲中。ベッドの中で彼女は『読書する女』という本に夢中になっている。 『読書する女』の中の主人公マリーは読書好きで、自分の美声を生かし、広告を出してお客に本を読んで聞かせるという仕事を始める。しかし、訪ねた家々の人々は一癖も二癖もある人間が多い。下半身不随のマザコン気味の少年にはモーパッサンの「手」を読むが興奮して発作を起こし、精神病院で死んだ作家の本を読むなとダーグ医師に叱られる。ボードレールの『悪の華』は母親に不適切とされ、「宝玉(宝石)」を読むが、今度は前のワンピースで来てくれといわれる。女子学生と寝ないという老教授はエミール・ゾラの「制作」を純文学好きの100歳の将軍夫人に読めばいいと勧められる。メイドのベッラはなんと下着の中に飼っているクモを見せられる。結局、マルクスの『反デューリング論』(エンゲルス)を読む。離婚して欲求不満の中年社長はデュラスの『ラマン・愛人』の朗読の最中に身体を触りまくるが、老教授の忠告に反発して寝てしかも積極的になる。別の訪問先の幼女は『不思議の国のアリス』が大好きで誘われるまま遊園地に行き、ママの高価な宝石も持ってきたので誘拐犯に間違えられる。少年の15歳の誕生日には盲目の友だちが来て「盲者と下肢麻痺者」を読まされる。社長からジンバブエ行きを打診されるが、断る。メイドはマリーに勧められ髪を切りに行ってクモが出て美容院が閉鎖し、閉店反対デモが起きる。ブロワ警部は革命派と王党派双方から問題視されると警告。少年はジョアシャン・デュ・ベレーの『哀惜詩集』の「金羊毛」の詩からヘアの話になり、今度はパンティをはかないで来てくれと頼む。老判事は希少本だといってマルキ・ド・サドの『ソドム百二十日』を朗読させる。二度目にはダーグ医師もブロワ警部も誘ったので、マリーはサヨナラをする。 こうして「朗読者はいなくなった」と恋人がいうのに対して、コンスタンスは世の中には朗読を必要としている人がいっぱいいるから「ここからが始まりよ」という。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「読書する女」の詳細全文を読む
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