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課税 : ウィキペディア日本語版
租税[そぜい]

租税(そぜい)・(ぜい)とは、法令の定めに基づいて、商売、所得、商品、取引等の行為や財産に対して、地方公共団体政府等)が国民や住民から徴収する金銭である。現代社会においては、ほとんどの国が物納や労働ではなく「お金(その国で使用されている通貨)」による納税方法を採用し、税金(ぜいきん)と呼ばれる。税金を賦課することを課税(かぜい)、徴収することを徴税(ちょうぜい)、課税された税を納めることを納税(のうぜい)、それらについての事務を税務(ぜいむ)という。
税制(ぜいせい)とは「租税制度」を指す用語であり、国家の運営や歳入歳出に係る根幹、また政治経済(経世済民)そのものである。政府の歳入歳出や財政状況において租税徴収額を減額することを減税(げんぜい)、逆に増額することを増税(ぞうぜい)という。
== 租税の本質・目的 ==

== 租税の機能・効果 ==
租税には次の4つの機能・効果があるとされている。
#公共サービスの費用調達機能 - 「市場の失敗」という言葉に象徴される市場経済のもとでは提供困難なサービス(軍事、国防、裁判、警察、公共事業など)の提供のための費用を調達するための機能。
#所得の再分配機能 - 自由(私的財産権の保護)と平等(生存権の保障)は、究極的には矛盾する考え方であるが、今日の多くの国では、いわゆる福祉国家の理念のもと、国家が一定程度私的財産に干渉することもやむを得ないことと考えられている。このような考え方に基づいて持てる者から持たざる者に富を再分配する機能。
#経済への阻害効果 - 投資意欲の妨害、生産活動・労働意欲の阻害、消費意欲の低下など、経済が本来あるべき姿を歪め、経済全体に悪影響を与える効果。ジョン・メイナード・ケインズも述べるように、政府が忘れてはならない事として、重い徴税はビジネスなど経済活動を完全に止めてしまうのであり、極端に高い税率ではなく中等の税率こそが政府にとっての最大の税収になる〔J.M. Keynes, A tract on monetary reform, Macmillan Co LTD, 1924 〕。特に、国富が著しく喪失して景気が悪化している状況での増税による緊縮財政は極めて有害な政策である〔Japan's lost decade Economics AEI 2008年3月1日〕。
#景気の調整機能 - 自由主義経済体制における特殊な調整機能。景気の循環は不可避のものとされるが、景気の加熱期には増税を行うことにより余剰資金を減らし投資の抑制を図る。逆に後退期には減税を行うことにより余剰資金を増やし投資の活性化を行う。これにより、ある程度景気を調節することが可能であるとされる。現代の租税制度は累進課税を採用している租税が国等の主要な財源を占めているため、所得の変動に応じた税率の変動により、景気が自動的に調整されるという効果を有する。この効果は「自動景気調整機能(ビルト・イン・スタビライザー)」と称される。
政府が「お金」の価値を保証することと租税の制度を存続させることとは表裏一体で、日本においては、明治時代の紙幣・債権経済への移行期に地租改正を行い通貨による納税制度を取り入れている。政府が「お金」の価値を保証することは、近世社会以降において治安と並んで国家的機能の重要な働きの1つで、国内的なあらゆる取引における一定の価値および安全性を保証するものである。この国家の基盤的機能を維持するための税(通貨使用税[私法上の使用料]または取引保証税または経済流通促進税[経済政策の基礎])は、例えば、金融取引(証券、預金等)では、残高が一定額(段階制)を超える度に、無記名的に税額が自動引落しによって徴収される。その政策的派生効果は、通貨の一極集中における停滞抑止および分散によって新たな経済関係の形成が促進されることにあり、また、副次的効果は、少額な残高からは低く、高額な残高からは多く徴収されることで、社会保障的機能を間接的に担うとされている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「租税」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tax 」があります。



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