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譲渡制限株式 : ウィキペディア日本語版
種類株式[しゅるいかぶしき]

種類株式(しゅるいかぶしき)とは、株式会社が、剰余金の配当その他の権利の内容(会社法第108条1項各号参照)が異なる2種類以上の株式を発行した場合、その各株式をいう。普通株式以外のものを指すこともある。
会社法上で、「種類株式」という用語自体は用いられておらず、したがって、その定義もない。もっとも、2条13号は「種類株式発行会社」について、「剰余金の配当その他の108条1項各号に掲げる事項について内容の異なる2以上の種類の株式を発行する株式会社」と定義しており、ここから上記のような定義で用いられる。
*会社法は、以下で条数のみ記載する。
== 実務上の種類株式の呼称例 ==
以下は実務で使われる種類株式の呼称例である。しかし会社法の制定に伴い、法律上はそのような呼称がなくなったものもある。
*優先株式
*:剰余金又は残余財産の配当(配分)に関する地位が他の株式よりも優越する株式のこと。実務上での詳細は優先株式の項を参照。会社法上の規制等については、下記の#剰余金の配当規定(1号)及び#残余財産の分配規定(2号)の規定参照。
*多数議決権株式
*:議決権につき優先的地位を認められている株式で優先株式の一種である。一般的には、常時または一定時に他種の株式よりも多数の議決権が与えられる。これは、第一次大戦後のドイツにおいて、外資資本による支配から企業を守るために考案されたが、現在では、ドイツでもこの制度は禁止されており、日本でも公開会社では認められていない(議決権株ともいう)。フランス、アメリカなどでは公開会社においても認められている。
*功労株
*:株式会社の設立・発展などに功績のあった者に対して発行される株式。
*劣後株式
*:後配株式とも呼ばれる。剰余金及び残余財産の配当(配分)に関する地位が他の株式よりも劣る株式のこと。実務上での詳細は優先株式の項を参照。会社法上の規制等については、下記の#剰余金の配当規定(1号)及び#残余財産の分配規定(2号)の規定参照。
*普通株式
*:剰余金及び残余財産の配当(配分)に関して標準的な地位が与えられた株式。実務上での詳細は優先株式の項を参照。会社法上の規制等については、下記の剰余金の配当及び残余財産の分配の規定参照。
*混合株式
*:剰余金の配当に関しては優先株式であるが、残余財産の分配で(劣後)後配株式であるような、ある規定に対しては他の株式よりも優越し、別の規定に関しては他の株式よりも劣後するような株式を混合株式と呼ぶ。旧商法下と同様に,法定の手続を踏む事で発行する事ができる。
*譲渡制限株式
*:下記の#譲渡制限規定(4号)の見出しを参照。
*償還株式
*:旧商法下で用いられていた分類で、会社や株主の請求など特定の事由が起こる事を条件に会社が株式と現金を交換する旨の規定のある株式。会社法では取得条項及び取得請求権規定に吸収。会社法での解釈では、償還株式は「取得請求権付株式または取得条項付株式で取得対価を現金と定めたもの」となる。
*転換予約権付株式(転換株式)
*:旧商法下にあった分類で、株主の請求で、当該株式を会社の発行する別種の株式と交換できる旨の規定がある株式。会社法で#取得請求権規定(5号)に吸収された。会社法での解釈では、転換予約権付株式は「取得請求権付株式で取得対価を当該会社の発行する他の種類株式と定めたもの」となる。
*強制転換条項付株式
*:旧商法下にあった分類で、会社の都合で、当該株式を会社の発行する別種の株式と交換できる旨の規定がある株式。会社法では取得条項の規定に吸収された。会社法での解釈では、転換予約権付株式は「取得請求権付株式で定款で取得事由を株主の取得対価を当該会社の発行する他の種類株式に定めたもの」となる。強制転換条項付株式(今の取得条項付株式)は企業防衛の見地から効果があるとされ導入された。
*無議決権株式
*:会社法では#議決権制限規定(3号)に吸収。
*議決権制限株式(108条1項3号)
*:下記の#議決権制限規定(3号)を参照。
 *全部議決権制限株式(無議決権株式)
 *一部議決権制限株式
*全部取得条項付株式(108条1項7号)
*:会社が株主総会決議に基づいてその全部を取得できる旨の定めのある株式をいう。スクイーズアウト(少数株主の追い出し)において用いられることが多い。
*黄金株
*:拒否権付株式の利用例。下記の#拒否権規定(8号)および、黄金株を参照。
*新株予約権付株式
*:会社に新株を発行させる、または会社の自己株式を移転させる権利付きの株式の事。新株予約権付株式は、従来認められていなかったが、新株引受に関する規定が緩和され、平成14年の商法改正以後この名で導入された。詳しくは新株予約権の項を参照。会社法上、新株予約権を株式と一体のものとして発行することはできず、同時に双方を発行することができるに留まる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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