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護衛駆逐艦(ごえいくちくかん、Destroyer Escort)は、軍艦の艦種。第二次世界大戦中のアメリカ海軍で商船護衛の目的で建造された小型の駆逐艦を言う。主として対潜戦に使用されるが、航空機や小型艦艇からの攻撃に対しても使用された。 アメリカ海軍では8クラス、457隻の護衛駆逐艦を建造した。イギリス海軍での同様の艦種はフリゲートであるが、ハント級などの艦種が護衛駆逐艦と呼称された。 同様に護衛駆逐艦と訳される艦種(''Escort Destroyer, DDE'')があるが、こちらは従来の駆逐艦を対潜艦に転用したものである。 ==起源== 1941年3月にレンドリース法がアメリカ合衆国議会で通過し、イギリスはアメリカ合衆国から商船、軍艦、軍需品の供与を受けられることとなった。これによってイギリスは対潜水艦作戦に適した護衛艦艇の設計、建造および供給を1941年6月に発注する。アメリカ船舶局のE・L・コクレーン大尉はイギリス護衛駆逐艦(''British Destroyer Escort, BDE'')と呼ばれる艦種の設計を行ったが、後に護衛駆逐艦(''Destroyer Escort, DE'')と改称された。大戦中アメリカが建造した護衛駆逐艦は6タイプに別れるが、これは製造能力の問題から推進プラントの方式が複数に別れたこと、戦訓を反映し武装強化などの設計改正が行われたことによる。 アメリカが第二次世界大戦に参戦し、対潜水艦戦において護衛駆逐艦が最適であることを確認すると、建造された護衛駆逐艦の5分の4がアメリカ海軍の所属となり、5分の1がイギリス海軍に引き渡された。 艦隊型駆逐艦が25kt~30ktの高速力を求められるのに対し、護衛駆逐艦は商船護衛、自衛対空戦闘および潜水艦の追尾・攻撃に必要な最低限の速力をもっていれば良かった。また、艦隊型駆逐艦が対水上戦、対潜水艦作戦や機動部隊護衛で有効な一方、護衛駆逐艦はサイズ、コスト、および乗員などを比較的低く抑えながら大量に建造できることなどの点でより有効だった。コルベットなどよりも航続距離が長く、沿岸対潜作戦で有効な点でもこれは同じである。一部の艦はイギリスだけでなく、自由フランス海軍にも提供された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「護衛駆逐艦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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