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象徴種[しょうちょうしゅ]
象徴種(しょうちょうしゅ、Flagship species)は、地域の環境保護を促進するための象徴として置かれる生物種のことである〔Olney ''et al.'' (1994) p.33〕。 == 概要 == 環境保護運動では、保護活動への積極的な関心を引き起こし、活動への協力や資金を集めるための手段として、たびたび象徴種が用いられてきた〔Veríssimo, D., D. C. MacMillan, and R. J. Smith. 2011. Toward a systematic approach for identifying conservation flagships. Conservation Letters 4:1-8. 〕。特にNGO(非政府組織)による自然保護活動では象徴種が数十年にわたって用いられてきた〔。一方、学術的には無視されていた概念であり、その定義や役割、効果について科学的に検討されるようになったのは1980年代以降のことであった〔。 ふつう象徴種に選定されるのは、絶滅の危機に瀕した、生態系の頂点に立つ大型の哺乳類、あるいは大型の鳥類であることが多い〔Caro (2010) p.245〕。しかし場合によっては、変温動物や無脊椎動物、植物などが象徴種として選ばれることもある〔Caro (2010) p.246〕。いずれの場合でも、種の多様性や遺伝的多様性といった複雑な概念の代わりに、ある1種をその代表として示すことで、環境保護や生物多様性への関心を引く助けになるとされる〔。 象徴種を用いる保護活動がターゲットとしている対象は、観光客〔Veríssimo, D., I. Fraser, R. Bristol., J. Groombridge, and D. MacMillan. 2009. Birds as tourism flagship species: A Case Study on Tropical Islands. Animal Conservation 12:549-558.〕や地域コミュニティ〔Bowen-Jones E., Entwistle A. (2002) Identifying appropriate flagship species: the importance of culture and local contexts. Oryx 36, 189-195.〕など様々であり、それぞれの場合に応じた象徴種が選定される。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「象徴種」の詳細全文を読む
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