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貧困の悪循環()は経済学の用語で、 一度入ってしまうと外部からの介入がない限り継続する貧困の要因・事象のことである〔Hutchinson Encyclopedia , Cycle of poverty〕。 == 概要 == 貧困の悪循環は、貧しい家族は少なくとも3世代以上の貧困状態の罠に陥るという事で定義された。そういった家族には貧困脱出の助けとなる知的・社会的・文化資本をもつ祖先がいなくなっているため、貧困から脱出するのには長い時間がかかる。 このケースの家族は持ち合わせる資源が限られているか、まったくない。多くのディスアドバンテージがあるため循環プロセスに乗るのは困難であり、個人がこの悪循環を脱するのは事実上不可能である〔Marger (2008). Examples of these disadvantages working in a circular process would be: economic decline, low personal income, no funds for school, which leads to lack of education. The lack of education results in unemployment and lastly low national productivity. ‘‘Social Inequality: Patterns and Processes.’’ McGraw Hill publishing. 4th edition. ISBN 0-07-352815-3〕。 これは、貧困層は貧困から脱出するための金融資本・教育・コネクションを持っていないために起こる。言い換えるならば、貧困にあえぐ人々はその貧困の結果によりディスアドバンテージが発生するため、貧困が更に貧困を引き起こす。これは貧しい人々は生涯に渡って貧しいままであろうということを意味している〔。この循環は、簡単には変更できない行動・状況のパターンのこともそう呼ばれる〔Valentine, C. A. Culture and Poverty. University of Chicago: London, 1968.〕。 同じ問題が国家に対して起こる場合は、開発の罠と呼ばれる〔。 日本においては、所得移動の観点から全国調査データを用いた分析によると、現実に生じているのは 「貧困の連鎖」よりも「富裕の連鎖」とも言うべき現象だとの指摘もある〔貧困の世代間連鎖の実証研究 佐藤嘉倫 吉田崇2013年6月11日閲覧 〕。教育水準と親の年収の関係も深く、2007年の東京大学の学生調査によると、東京大学生の親の年収950万円以上の割合は52.3%を占めている〔東京大学学生生活委員会学生生活調査室 2007年(第57回)学生生活実態調査の結果 〕。 日本財団が2015年に行った試算では、子どもの貧困を放置した場合、わずか1学年(現在15歳の子ども(約120万人)のうち生活保護世帯、児童養護施設、ひとり親家庭の子ども(約18万人)) あたりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られた〔日本財団 「子どもの貧困」に関する経済的影響を推計経済的損失約2.9兆円、財政負担約1.1兆円増の可能性も 2015年12月1日 〕としている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「貧困の悪循環」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cycle of poverty 」があります。 スポンサード リンク
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