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貨狄尊者[かてきそんじゃ] 貨狄尊者(かてきそんじゃ)または貨狄さま(かてきさま)とは、栃木県の龍江院に安置されていた木像の名称。「木造エラスムス立像」として国の重要文化財に指定されている。
== 概要 == 本像は栃木県佐野市上羽田町の龍江院に伝来してきた古い木像で、長年、古代中国の伝説上の船の発明者である貨狄〔世本曰く黄帝の臣下で、共鼓とともに舟を作った人物とされる。〕の像とされてきた。しかし、1920年(大正9年)に足利市の郷土史家丸山瓦全により「耶蘇教僧木像」と紹介され、更に写真が1924年(大正13年)から2年間、バチカンで催された世界宗教博覧会に「在日本キリスト教聖人像」として出品され学者達の注目を集めた。その際のバチカンでの指摘や村上直次郎らの調査によって、この像は1600年(慶長5年)3月16日に豊後国(大分県)の浜辺に漂着したオランダ船リーフデ号(前名エラスムス号)の船尾飾りであり、オランダの人文学者デジデリウス・エラスムス(1466年 - 1536年)の像である事が判明した。その判明当時には母国オランダより買い取りの申し入れがあったが、それを断り、1930年(昭和5年)に日本の旧国宝(現在の重要文化財)に指定された〔。 総高121cm、像高105cm。頭にかぶり物をし、右手には巻物を持つ。巻物には「ER□□MVS」「R□□TE□□□M 1598」(□は欠損)との文字が刻まれており、「ERASMVS(エラスムス)」「ROTTERDAM(ロッテルダム) 1598」と読むことが出来る〔〔〔。1598年はリーフデ号がオランダロッテルダムより就航した年である。 像は現在も龍江院が所有しているが、東京国立博物館に寄託されている。寺と同じ市内にある佐野市郷土博物館にはレプリカ像が常設展示されている〔。また、にも1962年に日本より贈られたレプリカ像があり、1998年にはオリジナルの像の里帰り展示が実現した。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「貨狄尊者」の詳細全文を読む
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