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経済成長の黄金律(おうごんりつ)は、一定の成長率で進む経済成長のうちで、消費が最も多い経済成長である〔または。経済成長の黄金律という表現はのタイトル"Golden Rules of Economic Growth"による。〕。黄金則とも訳す〔 山形浩生らの訳。〕。 エドムンド・フェルプスの寓話は、むかしむかしソロヴィア王国の百姓オイコ・ノモスが黄金律を思いつきました、という筋書きだが〔。〕、本当は1960年代の初めにフェルプスをふくむ数人の経済学者がそれぞれ独自に黄金律を発案した〔。〕。フェルプスらの定理によると、利子率が成長率に等しいのが黄金律である〔。ここでは大雑把な言い回しをした。くわしくは黄金律の節や黄金律の定理の節を参照。〕。 黄金律では資本が稼いだ収益を全て資本に投資して蓄積する。このことを蓄積の黄金律〔の"the Golden Rule of Accumulation"。〕とも資本蓄積の黄金律〔たとえば35頁の"the golden rule of capital accumulation"。〕ともいう。黄金律では資本収益を全て再投資しないといけないので、資本を所有するだけの不労所得生活者は何も消費できない〔593-594頁。〕。黄金律の実現は経済の成熟を示す〔Vol.1 Overview 2頁。同Vol.2 Main Report 2頁にも同じ文。 〕。 黄金律は単純なので分かりやすい〔Vol.2 Main Report 433頁。〕。最適成長理論の基本中の基本とされる〔。政策当局は黄金律に魅せられて、黄金律をめざしたいと思うことがあるという〔。 == 概要 == === 均斉成長(黄金時代) === 1961年に黄金律を提唱したフェルプスは、全ての経済変数がそれぞれ一定の成長率で伸びてゆく経済成長を黄金時代とよんだ〔の"a golden age"。〕。 この黄金時代の概念は1956年にジョーン・ロビンソンが定義した〔はロビンソン夫人が黄金時代を命名したと述べている。は参考文献を3つ挙げており、そのうち1つが である。が黄金時代を定義した件については20頁を参照。〕。現実には経済が厳密に一定の伸び率で成長しつづけることはないので、黄金時代という言葉には「実現しそうにない神話的な状態」という意味がこめられていた〔99頁。106頁も参照。〕。もともと黄金時代はギリシア神話上の時代区分のひとつであり、最も古く長くつづいた時代であったとされる〔ヘシオドス『仕事と日々』。〕。フェルプスが黄金律を提唱したときの寓話は、古代ギリシア風の架空の王国を舞台とし、その主人公は古代ギリシア語の「経済」をモジったオイコ・ノモスという名であった〔。 黄金律が提唱された当時は経済学で黄金時代という言葉がつかわれていた〔などのほか、世代重複モデルの古典として知られるなども黄金時代という用語をつかっていた。〕。現在は経済学で黄金時代という言葉をつかうことはほとんどなく、そのかわりに均斉成長という〔大住圭介訳。均斉成長の原語は balanced growth 。これは均整成長(たとえば朝元照雄「均整成長理論と不均整成長理論 』エコノミクス、九州産業大学、2006年)とも均衡成長(たとえばジョーンズ『経済成長理論入門』香西泰監訳、日本経済新聞出版社、1998年)とも訳す。〕。これを恒常状態ともいうが〔福岡正夫訳。恒常状態の原語はsteady state。これは持続状態( 大住圭介訳)とも定常状態(ジョーンズ『経済成長理論入門』香西泰監訳、日本経済新聞出版社1998年)とも訳す。〕、経済学者によっては成長率がゼロの場合に限ってこれを恒常状態とよぶことがあるというので気をつける〔34頁の脚注11。〕。 黄金律が提唱される少し前、ニコラス・カルドアは経済統計を観察し、現実の経済成長がおおむね均斉成長であるという事実を発見した〔57頁。原典は。〕。カルドアはこれをとよび、黄金律が提唱された年と同じ1961年に公表した〔。「定型化された事実」は他の経済学者からは「」ともよばれる(57頁など)。〕。現代の経済成長理論でも、均斉成長は現実を要約して記述する概念として有益であると考えられている〔福岡正夫訳158頁。〕。 均斉成長における技術進歩は資本の生産効率を高めずに労働の生産効率を高めるかのようなかたちになる〔、。〕。これを労働拡張型技術進歩という。このことは、1961年に宇沢弘文が発表した論文で証明された(宇沢の定理)。これと同じ1961年に黄金律を提唱したフェルプスは、初めこのことに気づいていなかったが、1965年の第二論文でこれを取りいれた〔。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「経済成長の黄金律」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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