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赤血球[せっけっきゅう]
赤血球(せっけっきゅう、 あるいは )は血液細胞の1種であり、酸素を運ぶ役割を持つ。 本項目では特にことわりのない限り、ヒトの赤血球について解説する。ヒト以外の赤血球については後述する節#ヒト以外の赤血球を参照のこと。 == 概要 == 赤血球は血液細胞の一つで色は赤く〔血液の55%程度を占める血漿はやや黄色を帯びてはいるがほとんど透明であり、血液の色は主に45%程度を占める赤血球の色である。〕血液循環によって体中を回り、肺から得た酸素を取り込み、体の隅々の細胞に運び供給する役割を担い、また二酸化炭素の排出にも関わる。赤血球の内部には鉄を含む赤いタンパク質ヘモグロビンが充満しており、赤血球はヘモグロビンに酸素を取り込む〔杉本『内科学』p.1559〕。大きさは直径が7-8μm、厚さが2μm強ほどの両面中央が凹んだ円盤状であり〔小川『血液学』p.23〕、数は血液1μLあたり成人男性で420-554万個、成人女性で384-488万個程度〔基準値の設定は研究機関・検査施設ごとに違う〕〔小川『内科学書』p.35〕で血液の体積のおよそ4-5割程度が赤血球の体積である〔杉本『内科学』p.1558〕。標準的な体格の成人であれば全身におよそ3.5-5リットルの血液があるため、体内の赤血球の総数はおよそ20兆個であり、これは全身の細胞数約60兆個〔エヌ・ティー・エス『幹細胞の分化誘導と応用』p.3〕の1/3である。体内の細胞にくまなく酸素を供給するために膨大な数の赤血球が存在する。骨髄では毎日2000億個弱程度の赤血球が作られている〔が、その寿命は約120日〔杉本『内科学』p.1560〕で、120日の間におよそ20-30万回に渡って体を循環して〔ヒトでは安静時に心臓は4-8L/分の血液を拍出し-出典、寺野『シンプル内科学』p.110-人の体内の血液はおよそ3.5-5Lなので血液は平均しておよそ1分弱で体内を巡ることになる。1日で2000回前後、120日では20-30万回程度になる。〕酸素を供給し、古くなると脾臓や肝臓などのマクロファージに捕捉され分解される〔小川『内科学書』p.6〕〔三輪 『赤血球』p.7〕。赤血球は体の隅々の細胞にまで酸素を供給するため、柔らかく非常に変形能力に富み、自分の直径の半分以下の径の狭い毛細血管にも入り込み通過することができる〔小川『内科学書』p.10〕〔野村『赤血球』p.30〕。 赤血球は成熟する最終段階で細胞核やミトコンドリア・リボゾームなどの細胞内器官を遺棄する。酸素の運搬には不要な細胞核や酸素を消費するミトコンドリアを捨て去り、乾燥重量の約9割がヘモグロビンである〔赤血球はいわばヘモグロビンを閉じ込めた柔軟な袋であり、ヘモグロビンによる酸素運搬に特化した細胞といえる。ミトコンドリアを持たないため、細胞の活動に必要なエネルギーは嫌気性解糖系と呼ばれる酵素によって糖(グルコース)を分解して得る〔浅野『三輪血液病学』p.214-215〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「赤血球」の詳細全文を読む
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