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超光速運動
天文学において、超光速運動または超光速現象とは、 電波銀河、BL型天体、クェーサーの一部にみられる、みかけ上光速を超えた速度の運動をいう。近年ではマイクロクェーサーと呼ばれる銀河系内電波源でもみつかっている。これら全ての電波源はブラックホールを内包すると考えられており、これが原因で高速の質量噴出が起こっているものと考えられている。 1970年代に初めて観測された際には、超光速運動はクェーサーが宇宙的な距離をもつことへの反証の一つと考えられた。しかし、少数のこの見方を保つ天文学者を除いて、ほとんどの天文学者はみかけ上の超光速は光学上の錯覚であり、相対性理論に反するような物理過程を包含するものではないと考えている。 == 説明 == この現象は、観測者に向かって小さな角度を成す、光速に非常に近い速度で飛ぶジェットにより生じる。高速のジェットはその経路上の全ての点で光を放っており、放たれた光はジェットそのものよりもそれほど速く観測者に近づかない。このことから、ジェットが進む数百年の間にわたって放たれた光は、先端(最も古くに放たれた光)から後端(最も新しく放たれた光)まで数百光年もの距離は持たないことになり、「光の列車」全体が届くまでに短い時間(数十年程度)で届くことになり、超光速の現象が起きたかのような錯覚を引き起こす。 この説明は、ジェットが観測者の視線と成す角度が十分小さいときのみ成り立ち、ある特定の場合にみられる超光速運動を説明する〔。 超光速運動は一方が地球に向かい、他方が地球と逆を向いた二つのジェットにおいてよく見られる。この両方の電波源のドップラーシフトを計測すれば、速度と距離が他の観測とは独立に求められることになる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「超光速運動」の詳細全文を読む
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