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超正常刺激[ちょうせいじょうしげき]
超正常刺激(ちょうせいじょうしげき、supernormal stimulus)とは、動物において、現実にはあり得ないのに、その動物に特定の行動を引き出す刺激のことである。 == 概説 == コンラート・ローレンツが発見した現象で、動物の行動において、先天的なものを本能行動というが、そのような場合、ある行動をその動物が起こすきっかけは、比較的単純な視覚などの刺激である例が知られる。たとえばトゲウオ類のイトヨの雄は、生殖期に縄張りを作り、そこへ侵入する雄に攻撃をかける。この攻撃行動を引き起こす刺激が、実は繁殖期の雄が示す腹部が赤くなる婚姻色である。その証拠に、楕円形の単純な形のモデルであっても、下側を赤く塗ればこの行動を引き起こせる。このような刺激のことを信号刺激と言う。 このような行動の研究には、このように簡単なモデルを作成し、それに対する反応を見るという実験が度々行われる。ところが、そのような実験の最中、時には実際には存在しないモデルの方が実物よりはるかに強くその動物の反応を引き起こす例が知られるようになった。たとえば、ニコ・ティンバーゲンが研究したミヤコドリでの実験では、この鳥の雌は三個の卵を産んで保温するのであるが、そばに五個の卵をかためて置くと、そちらに移動して五個の方を抱こうとする。また、似た色と形であれば、より大きいものを抱こうとするので、そばに大きさが二倍、三倍というような有り得ない卵を置いてやると、そちらを抱こうとする。実物より有り得ない偽物が動物を引き付けてしまっている訳である。そこで、このような刺激を超正常刺激と言う。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「超正常刺激」の詳細全文を読む
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