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超伝導(ちょうでんどう、)とは、特定の金属や化合物などの物質を非常に低い温度へ冷却したときに、電気抵抗が急激にゼロになる現象。「超電導」と表記されることもある。1911年、オランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オンネスにより発見された。この現象と同時に、マイスナー効果により外部からの磁力線が遮断されることから、電気抵抗の測定によらなくとも、超伝導状態が判別できる。この現象が現れるときの温度は超伝導転移温度と呼ばれ、この温度を室温程度に上昇させること(室温超伝導)は、現代物理学の重要な研究目標の一つ。 == 概要 == 金属は温度が下がると電気伝導性が上がり、逆に温度が上がると伝導性は減少する〔大澤 p.11-35 I. 金属の化学 1. 金属とは〕。これは温度の上昇に伴って伝導電子がより散乱されるためである〔齋藤 p.32-50 I. 金属の化学 2. 金属の物理的性質〕。この性質から、絶対零度に向けて金属の電気抵抗はゼロになることが昔から予想されていた。このことを検証する過程で、超伝導は1911年にヘイケ・カメルリング・オネスによって発見された。超伝導となる温度(臨界温度、Tc)は金属によって異なり、例えばニオブは9.22 K、アルミニウムは1.20 Kとなる〔。 特定の物質が超低温に冷やされた時に起こる現象は「超伝導現象」(superconductivity phenomenon)、超伝導現象が生じる物質のことは「超伝導物質」(superconductor)、超伝導物質が超伝導状態にある場合「超伝導体」と呼ばれる。 液体窒素の沸点である−196℃ (77 K) 以上で超伝導現象を起こすものは特に高温超伝導物質 (cuprate superconductor) と呼ばれる。 物質が超伝導状態になるということは「水が氷になるように、まったく新しい相へ移行すること(相転移)」を意味する。このため超伝導相に移り変わる温度を、(超伝導)転移温度という。超伝導に転移する前の相は常伝導という。 超伝導体には電気抵抗がゼロになる他にも、物質内部から磁力線が排除されるマイスナー効果によって「磁気浮上」現象を起こす。この時、磁力線の強度への応答の違いから第一種超伝導体 (type-I superconductor) と第二種超伝導体 (type-II superconductor) とに分類される。第二種超伝導体では磁力線の内部侵入を部分的に許すことで高強度の磁力に対してマイスナー効果が発生する。第二種超伝導体では、ピン止め効果によりゼロ抵抗を維持している。 これらの現象はいずれも、量子力学的効果によって起きていると考えられており、基本的なしくみはBCS理論によって説明される。日常では扱わない低温でしか発生しない現象で、その冷却には高価な液体ヘリウムが必要な事から、社会での利用は特殊な用途に限られていた。20世紀末にようやく上限温度(転移温度)が比較的高く安価な液体窒素で冷却できる高温超伝導体が相次いで発見されてから一般への認知も大きく進んだ。今後はさらに一般的な低温環境や室温で機能する実用的な超伝導体の発見が期待されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「超伝導」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Superconductivity 」があります。 スポンサード リンク
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