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足摺型給油艦 : ウィキペディア日本語版
足摺型給油艦[あしずりがたきゅうゆかん]

足摺型給油艦(あしずりがたきゅうゆかん)は、日本海軍給油艦航空母艦への航空機用軽質油(ガソリン)補給艦である。同型艦は2隻が建造された。
== 概要 ==
足摺型は昭和15年度(1940年)決定のマル臨計画により、昭和16年度艦艇製造費で建造された〔#海軍軍戦備pp.803-805〕空母随伴用の8,000トン型給油艦(揮発油運搬艦(中)〔)である。マル4計画で建造された「洲埼」に続く艦であるが、補給品搭載量は約2倍であり、大型空母2隻に航空機用ガソリンを給油できる能力を持たせた。
当初は軽質油の運搬、補給を主とする極簡単な艦型とする予定だったが爆弾魚雷弾薬から糧食、真水も補給し、更に航空機機材の搭載も要求されたため、軍艦形式に近い艦型となった〔#海軍造船技術概要pp.882-885〕。艦の中央部は軽質油タンクとし、空母のそれと同じ全溶接構造で作られた〔#海軍造船技術概要p.882〕。その周囲には空所が設けられ、万一漏洩した際にここに滞留するようにし、またバラストタンクとも兼用した〔。前部マスト後部の甲板上に防舷物として使用する18トンの浮船を2個搭載し、その揚げ降ろしのために前部マストも頑丈な3脚マストとして20トンの大型クレーンが装備された〔#海軍造船技術概要p.883〕。艦の後方には機械室上の中甲板に補給用潤滑油庫を設け、ドラム缶に詰めた潤滑油を納めた〔。また飛行機部品格納所や補給用弾薬庫も設けられ〔#海軍造船技術概要pp.883-884〕、後部マストに装備した5トンデリック4基で積み卸しをした〔〔。
足摺型は三菱重工業長崎造船所で2隻建造され、1943年(昭和18年)に竣工、運送艦(給油艦)に類別された。竣工後は南方からのガソリン輸送に使用されシンガポールバリックパパンなどと内地サイパンなどの各地を往復、1944年(昭和19年)6月に両艦とも戦没した。そのため当初想定していた機動部隊に随伴し空母に給油するという機会は1度も訪れなかった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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