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車師 : ウィキペディア日本語版
車師[しゃし]
車師(しゃし、拼音:Chēshī)は、かつて中国東トルキスタン)に存在したオアシス都市国家。古くは姑師といい、漢代車師前王国車師後王国などに分かれ、シルクロード交易の要所として栄えた。
== 歴史 ==

=== 前漢の時代 ===
姑師国は他の西域諸国とともに匈奴の属国となっていた。匈奴の西辺日逐王は僮僕都尉を置いて、西域を領させ、常に焉耆国,危須国,尉犁国の間に駐屯し、西域諸国に賦税し、富給を取った。
元封元年(前110年)、はたびたび楼蘭,姑師の小国に使者を妨害させられたので、従驃侯の趙破奴に命じて姑師を撃たせ、楼蘭王を捕虜とし、姑師を破った。これによって漢は西域の烏孫大宛の国々に対して威を振るうことができた。武帝は趙破奴を浞野侯に封じた。
姑師を破った漢は、その国を車師前後王国及び山北六国に分けた。
天漢2年(前99年)、漢は匈奴から降った介和王を開陵侯とし、楼蘭国の兵を率いさせて車師国を撃ち、匈奴は右賢王を遣わし数万騎を率いて車師国を救い、漢軍は撤退した。
征和4年(前89年)、武帝は重合侯の馬通を遣わして匈奴を撃ち、車師国の北を過ぎ、ふたたび開陵侯を遣わして楼蘭,尉犁,危須など6ヶ国の兵を率いて別に車師国を撃たせた。諸国兵は車師国を包囲し、遂に車師王は降服し、漢に臣属した。
昭帝(在位:前86年 - 前74年)の時、匈奴は4千騎に車師国で屯田させた。
本始2年(前72年)、宣帝は五将の将兵を遣わして匈奴を撃ち、車師国の田者が逃げ去ったので、車師国はふたたび漢と通交した。匈奴は怒り、車師国太子軍宿を召して人質にしようとした。軍宿は焉耆国の外孫で、匈奴の人質にはなりたくなかったので、焉耆国に亡命した。車師王は子の烏貴を建てて太子とした。烏貴が王となると、匈奴と婚姻を結び、匈奴に漢道を遮るよう教わった。
地節2年(前68年)、漢は車師国を攻撃するため、侍郎鄭吉校尉司馬埙を遣わして渠犁国で屯田させ、穀物を蓄積。秋、鄭吉と司馬埙は城郭諸国の兵1万余人を発し、自ら諸将田士1500人と共に車師国を撃ち、王治(首都)の交河城(交河故城)を攻め破った。翌年の秋、ふたたび兵を発して車師王烏貴を石城で攻める。車師王烏貴が漢軍の来襲を知ると、匈奴に救いを求めたが、匈奴が援軍を出さなかったので、車師王烏貴は貴人の蘇猶と評議して漢に降ることにした。蘇猶は匈奴辺境国の小蒲類を撃ち、その人民を略奪し、鄭吉に降った。
匈奴は車師国が漢に降ったことを知ると、兵を発して車師国を攻撃した。鄭吉と司馬埙はこれを迎え撃ったが、匈奴はあえて進まなかった。鄭吉と司馬埙は一候と卒20人と守王を留め、鄭吉らは兵を引いて渠犁国に帰還した。車師王烏貴は匈奴兵を恐れて軽騎で烏孫に奔走した。鄭吉はその妻子を渠犁国に置き、のちに長安へ送った。鄭吉は吏卒300人に別に車師国で屯田させた。匈奴はふたたび来襲し、城を数日包囲して解く。このあと鄭吉は上書して田卒の増員を要求した。宣帝は詔で長羅侯を遣わし、張掖酒泉の騎兵を率いさせて車師国の北千余里に出動させた。匈奴の胡騎は撤退した。
烏孫に奔走した車師王烏貴は烏孫に留まった。そこで漢はもと車師国太子で焉耆国に亡命していた軍宿を召して新たな車師王とし、車師国民を移して渠犁国に住まわせ、車師国の故地は匈奴に与えた。これによって車師王軍宿は匈奴と断絶した。
元康4年(前62年)、侍郎の殷広徳は烏孫を責め立て、車師王の烏孫貴の返還を求め、宮闕に詣でさせ、第を賜いその妻子の住まいを与えた。
神爵3年(前59年)、匈奴の日逐王単于握衍朐鞮単于)に叛き、衆を率いて漢に来降し、護鄯善以西使者の鄭吉はこれを迎えた。漢は日逐王を封じて帰徳侯とし、鄭吉を安遠侯とした。また漢はここで初めて西域都護を設置し、鄭吉にそれを担当させた。
元帝の時代、漢はふたたび戊己校尉を置き、車師前王庭で屯田させた。この時匈奴の東蒲類王の茲力支は民衆1700余人を率いて西域都護に降ったので、西域都護は車師後王国の西を分けて烏貪訾離の地とし、ここに住まわした。
元始2年(2年)、車師後王の姑句,去胡来王の唐兜は、漢に背いて匈奴に亡命する。新都侯の王莽は、匈奴に車師後王と去胡来王を護送させ誅殺する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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