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軽トラック(けいトラック)は、日本の軽自動車規格に該当する小型トラックの一種である。 == 概要 == 名称のとおり、軽自動車の規格に合わせて作られたトラックで、一般に「軽トラ」と略される。最大積載量は350kg以下である。1960年頃までは三輪車が主流だったが、1960年代前期頃から四輪モデルが発展し、市場の主流となった。 また1960年代まで荷台は低床式の後方一方開きが主流であったが、1960年代後期以降は、特装車両を除けば、より汎用性の高い高床式の三方開きが一般化し、後輪のホイールハウスを荷台から排除して、荷台の実効面積を広く使えるようになった。 現行車種はすべて並列2座キャビンを持つキャブオーバー式(フルキャブ)ないしセミキャブオーバー式(セミキャブ)だが、かつてはポータートラックやマイティボーイなどボンネット式(ピックアップ)、ミゼットIIのような1人乗り(マニュアル・トランスミッション車のみ)のコミューター的な軽トラックも存在していた。1990年代からは衝突安全基準を満たすためにクラッシャブルゾーンを広く取れるセミキャブを採用する車種が一時増えたものの、ホイールベースが必然的に伸び、車内足先を前輪ホイールハウスが占有して居住性・乗降性に難が生じる欠点も見られた。さらに狭隘な農道などでの小回り性能や荷台長などではフルキャブに利があることから、2014年時点では後述する電気自動車の三菱・ミニキャブMiEVトラックを除き、フルキャブへの回帰が進行している。 駆動方式は縦置きエンジンのフロントエンジン・リヤドライブ(FR)が一般的で、前述のボンネット式ピックアップを除いては、エンジンの搭載位置はキャビンのシート若しくは荷台の真下に配置されるアンダーフロアエンジン形式である。このようなアンダーフロア形式のFR車はサスペンションは前輪のみがマクファーソンストラットなどの独立懸架、後輪はリーフ式サスペンションによる車軸懸架である場合が多い。 稀に横置きエンジンを採用する場合もあり、ホンダ・アクティがミッドシップ(MR)で採用し、2012年まで自社製造されたサンバートラックはリヤエンジン・リヤドライブ(RR)であった。このようなエンジンレイアウトは後軸荷重を増加させることで空荷のときでも十分な後輪トラクションを得られる長所があるが、フロントエンジン・フロントドライブの車両と同様にドライブシャフトの定期メンテナンスの必要性(ゴム製のダストブーツの交換)が生じる欠点が存在する。ただしFF車のドライブシャフト用ダストブーツのように伸縮・曲がりは生じないため10万キロ以上経過しても問題ない場合が多い。 軽トラックは悪路で使用されることが多いため、ほとんどのメーカーで後輪駆動モデルと四輪駆動モデルが併売されており、切り換え方式はパートタイム方式が主流である。当初はレバー式が多かったが現行型はプッシュボタンが主流となっている。また、副変速機を用いて悪路走行に対応した車両も存在し、リアデフロック(またはリミテッド・スリップ・デフ)機能のオプション設定がなされた車種もある。タイヤも悪路向けのマッドテレーンタイヤが農業用軽トラック向けにラインナップされている。 現行モデルのエンジンはすべて直列3気筒となっており、同じメーカーの乗用モデルと基本設計を共通化したものが多いが、乗用車に比べて共用低速から粘り強いトルクを発揮するセッティングが施され、燃費などの経済性を重視した自然吸気のものがほとんどである。乗用軽自動車において燃料噴射装置の装着が一般的となった後も、生産コストを抑えるためにキャブレターを採用していた車種も多く、平成12年排出ガス規制の施行まで燃料噴射装置への完全移行は成されていなかった。半ば低速・重負荷走行に特化した出力特性を持たせられる場合が多い為か、高速道路などでの高速巡航を意識したターボを始めとする過給機の装着は一般的ではなく、アンダーフロア形式による搭載スペースの制約〔軽トラックとシャーシを共用する軽ワンボックスでインタークーラーが採用されている例はあるが、エンジンの直上にエアスクープ付きボンネットと共に横置きするか、エンジン前方にラジエーターと共に前置きするなど短い吸気経路でインタークーラーを配置できる前輪駆動の軽トールワゴンと比較して吸気経路や冷却効率で不利な面が多く、アクセルレスポンスも含めた全ての条件を満足する配置を実現することが難しい。〕によりインタークーラーが純正装着された例は皆無で、サンバートラックのスーパーチャージャー車を除いては長期間生産ラインナップに過給機付き車が残った例も少ない。 変速機はエンジンと同じく低速・重負荷走行に強いローギアードのマニュアルトランスミッション(MT)が一般的で、かつては用途に応じて変速段数の異なるMTが選択できる場合も多かった。デファレンシャルの最終減速比も特に低めに設定されていることが多い。1998年の660cc新規格の発表まではオートマチックトランスミッション(AT)はあまり普及してはいなかったが、今日では全社の軽トラック〔ホンダではエンジンおよびギアボックスを搭載するスペースの都合上、4WD仕様にはATを設定していない。〕にAT車が設定されている。 軽自動車であるため、通常のトラックと比べると車両価格や維持費(年間の自動車税(5,000円〔2015年4月1日以降に新車で登録・購入した場合。ただし2015年3月31日以前に新車登録された車両(中古車を含む)は4,000円の税額となる。〕)や2年毎の重量税を含む車検費用)、任意保険、車両保険などが格段に安く、個人や零細事業者による保有・維持が容易である。全体の寸法とホイールベースが小さい点から、狭い農道や建て込んだ住宅街の道路などの狭隘路でも取り回しが容易、という長所もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「軽トラック」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Kei truck 」があります。 スポンサード リンク
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