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軽王子と衣通姫[かるのみことそとおりひめ]
『軽王子と衣通姫』(かるのみことそとおりひめ)は、三島由紀夫の短編小説。2章から成る。父帝の寵妃である叔母と、その甥である王子の禁断の愛と死を描いた悲恋の物語。『古事記』や『日本書紀』で語られる「衣通姫伝説」をヒントにした作品である〔三島由紀夫「川端康成への書簡 昭和21年8月10日付」(『川端康成・三島由紀夫 往復書簡』)(新潮社、1997年。新潮文庫、2000年)〕。禁忌を犯した若い男女の愛の苦悩が描かれ、その愛に殉じて天上界に戻るという貴種流離譚となっている〔高橋睦郎「解説」(文庫版『殉教』)(新潮文庫、1982年。改版2004年)〕。 当時の三島が敗戦後の現実社会の中で、自らの虚無感や空洞を主人公の王子と姫の陶酔的な生き方に思いを馳せ、その王子と姫の死を密かに羨望し、亡き天皇への「常住の愛」を抱きながら余生を全うした皇后に、三島自らの戦後の行く末を重ねて模索していた作品だとされている〔〔〔。 == 発表経過 == 1947年(昭和22年)、文芸雑誌『群像』4月号に掲載され、同年11月20日に桜井書店より刊行の『岬にての物語』に収録された。その後、1971年(昭和46年)1月25日に新潮文庫より刊行の『獅子・孔雀』に収録された。これは三島が自死前に自選集として選んでいたもので、自作解説を付けるはずであったが、その死により不可能となった〔。現行版は新潮文庫『殉教』(『獅子・孔雀』が改題)に収録されている。翻訳版は1999年(平成11年)にイタリア(伊題:Il principe Karu e la principessa Sotōri)で行われている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「軽王子と衣通姫」の詳細全文を読む
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