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輿論[よろん] 輿論(よろん)とは、世の中の多くの人の意見という意味である。「輿」は、「車軸の上に置いて、その上に人や物をのせる台。転じて、人や物をのせて、かついで運ぶ乗り物」という意味があり、そこから、「みんなの」という意味が生じ、また、「世間の人々の意見・考え」という意味の「輿論」という語が生じた(藤堂明保『学研漢和辞典』)。 「輿」は、1946年公布の当用漢字表に含まれず、その時期にほぼ同義で使用されていた「世論」(せいろん、せろん)で代替されるようになり、さらには、「世論」が「よろん」と読まれることも増えるかたちで、現在にいたっている。「輿論の世論化」は第一次世界大戦から話題になった。〔佐藤卓己「メディア研究における総力戦体制」『日本の教育史学』2006年10月、49巻、p193-198 〕 西部邁の意見で、「世論」より「輿論」は民主主義に必要。〔西部邁「国民の道徳」産経新聞ニュースサービス 2000年 ISBN 459402937X〕 世論も参照のこと。 == 用語 == 中国では漢語として「輿論」という用語が古くより存在した。一例を挙げれば、唐の李商隠は、その「汝南公の為に赦を賀するの表」の中で、「直言の科(とが)を取れば、則ち輿論を聴く者、算(かぞ)うるに足らず、宥過の則を設くれば、則ち郷議を除く者、未だ儔(ともがら)とすべからず」と述べている。また、その語義を明代の『類書纂要』は、「輿論とは、輿は衆なり、衆人の議論を謂うなり」と説明している。さらに、輿論と同様の意味で、『晋書』の「王沈伝」では、「輿人之論」という用語が使用されている。「輿人」とは、衆人、つまり多くの人々のことを言うので、「輿論」と同義語であることが分かる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「輿論」の詳細全文を読む
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