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迫水久常 : ウィキペディア日本語版
迫水久常[さこみず ひさつね]

迫水 久常(さこみず ひさつね、1902年明治35年)8月5日 - 1977年昭和52年)7月25日)は、日本大蔵官僚政治家位階正三位勲等勲一等
いわゆる「玉音放送」を起草した人物の一人として知られる。
内閣書記官長第51代)、総合計画局長官貴族院議員、衆議院議員(2期)、参議院議員(4期)、経済企画庁長官(第910代)、郵政大臣第17代)、鹿児島工業短期大学学長(初代)などを歴任した。
== 来歴・人物 ==
東京府立第一中学校第一高等学校東京帝国大学を経て大蔵省入省。「知性の迫水」とも云われ当時を代表する高級官僚の一人であり、また企画院への出向を通して統制経済への策定にも関わった、当時の革新官僚を代表する人物の一人でもある。企画院時代には、毛里英於菟美濃部洋次と共に「企画院三羽烏」と呼ばれた。
1933年青木一男国庫課長の下、甲府税務署長から引き抜かれ外国為替管理法案策定に携わり、同法は1933年5月1日に施行された〔当時総合的な外為の国家管理を実施している国はなく、のちの国家総動員法をはじめとする日本における真の意味における経済統制法の嚆矢だとされている。「青木一男」の項目も参照。〕。
1936年岡田内閣内閣総理大臣秘書官在任中、二・二六事件に遭遇し、同僚らとともに岡田首相の救出に奔走、成功した。また、終戦時の鈴木貫太郎内閣の内閣書記官長として終戦工作の一翼を担い、更に終戦詔書の起草に尽力した。42歳で就任した内閣書記官長は、最年少記録であった〔#相撲 (1961/6) p.91〕。
戦後は右翼三浦義一と共に「日本金銀運営会」の利権を握る。公職追放となった後、衆議院議員参議院議員を務め、自由民主党参議院幹事長などを歴任。1971年(昭和46年)、鍋島直紹新谷寅三郎らとともに反重宗雄三グループ「桜会」のメンバーとして、河野謙三参議院議長の実現に動く。また、財団法人日本盲導犬協会の初代理事長も務めた。
義兄である岡田貞外茂海軍中佐が海軍航空機墜落事故で殉職した事が微妙に影響してか迫水は大の飛行機嫌いとして知られ、東京と自身の選挙区の鹿児島との往復には必ず列車で移動し決して飛行機を利用しなかったとのことである。
終戦当時の回想は内外のドキュメンタリー番組や、公開講演で度々行った。国立国会図書館東京本館に二・二六事件終戦当時を証言した迫水のインタビューの録音テープが保存・公開されている(インタビュー当時は、二・二六事件や宮城事件の関係者が存命していたので、関係者の迷惑にならないように、30年後に公開することを条件にインタビューと、その録音に応じた)。
好角家としても知られており、公職追放中の1948年から同じ鹿児島出身の鶴ヶ嶺道芳率いる井筒部屋の後援会会長を務めていたこともある〔#相撲 (1961/6) p.86,88,90〕。会長になった当時の井筒部屋は、部屋頭の鶴嶺山(鶴ヶ嶺昭男)が幕下でうろうろしていてパッとせず部屋自体も関取の数が少なく、面倒を見るようになって見込みの薄い者は次々と故郷に帰し続けて鶴嶺山の処遇を思案していたところ、部屋付きの甲山が「必ず栃錦でも負かす男になりますから、もう少し面倒みてやって下さい」と頭を下げたことにより、多少半信半疑のところがあったようだが鶴嶺山の現役続行が決まった〔#相撲 (1961/6) p.88〕。のち、鶴嶺山改め鶴ヶ嶺は、実際に栃錦から4個の金星を奪う実力者となった〔#相撲 (1961/6) p.89〕。1961年には雑誌『相撲』の企画で、当時大関柏戸剛と対談〔#相撲 (1961/6)〕。柏戸に対しては、自身が最年少で書記官長になっていずれは最年少の大臣かと思っていたところに公職追放、浪人生活があったことを引き合いに出して「史上最年少の横綱を狙う必要はない」とし、「横綱に推薦しますといわれたら、いや、私はまだその器ではありませんから、もう一場所大関でとらせていただきますって、いうくらいのまあ気持ちでやらなきゃ。」「なりたい、なりたいと思ったら、必ず焦りが出てくるよ」と激励している〔〔柏戸は1961年9月場所後、大鵬幸喜とともに当時の最年少記録である22歳9ヶ月で横綱に昇進。〕。柏戸の師匠であり、先代柏戸の柏戸秀剛のファンでもあった〔#相撲 (1961/6) p.90〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「迫水久常」の詳細全文を読む



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