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数学、特に微分学において逆函数定理(ぎゃくかんすうていり、)とは、関数が定義域内のある点の近傍で可逆であるための十分条件を述べるものである。この定理から、逆関数の微分の公式が得られる。 さらに多変数微分積分学においてこの定理は、ヤコビ行列が正則となる点を定義域内に持つ任意の ''C''1 級へと一般化される。この一般化から、逆関数のヤコビ行列の公式が得られる。 このほか、複素正則関数、多様体間の可微分写像、バナッハ空間間の可微分写像などに対する逆関数定理も存在する。 == 定理の主張 == 一変数関数に対しての逆関数定理は次のようになる。 多変数関数に対しての逆関数定理は次のようになる。 式(2)は次の連鎖律の式から導くこともできる。ここで ''G'', ''H'' はそれぞれ ''H'' (''p''), ''p'' において全微分を持つ関数である。 : 式(3)の ''G'', ''H'' をそれぞれ ''F'' , ''F'' とおくと、 が恒等写像となるのでそのヤコビ行列(左辺) は単位行列となる。これを について解くことで式(2)が導かれる。ここで、逆関数定理が ''p'' における ''F'' の全微分の存在を示すものであるのに対し、連鎖律は ''H'' (= ''F'') の全微分の存在を仮定したものである。逆関数 ''F'' が存在することは、''x'', ''y'' をそれぞれ ''p'', ''F'' (''p'') の十分小さな近傍とするとき ''n'' 本の連立方程式 : の解 ''x'', …, ''x'' が ''y'', …, ''y'' によって記述できることと等しい。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「逆函数定理」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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